ライオンとリコーが伝授、ビジネスを変えるデータ基盤の作り方(4/4 ページ)

» 2015年06月22日 08時00分 公開
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データ基盤の近代化を導く「SDS」のススメ

photo ファルコンストアジャパン マーケティングマネージャ 近藤功氏

 あらゆる情報が電子化されていく現在、企業が保有するデータは増加の一途をたどっている。企業の情報システム部門にとって、こうした大容量データは、社内で保有するだけでも管理に手間とコストがかかる悩みの種と言える。

 ファルコンストアジャパン マーケティングマネージャの近藤功氏は「IoT(Internet of Things)など、センサーから集められるデータ量はすさまじく、2020年までに世界の企業が保有することになるデータ量は14倍、サーバ数は10倍になるといわれています。対してIT部門の人数は約1.5倍にしかならず、このままでは膨大なデータの処理に対応できない企業が増えてしまいます」と警鐘を鳴らす。

 社内に点在する膨大なデータを集中させても、耐え得る基盤を作らなければならない。急激なデータ量の増減などに対応可能であることや、確実なバックアップや高速なリカバリ環境も重要になる。とはいえ、こうしたデータ分析環境が「必ずしも社内にある必要はない」と近藤氏は話す。

 こうした問題を解決するツールとして、ファルコンストアジャパンは、SDS(Software Defined Storage)プラットフォーム「FreeStor」を提供している。サーバやアプリケーションといったフロントエンドの資産と、バックエンドのストレージとを結ぶ統合ソリューションで、エンタープライズ向けの基本性能を保持しつつ、REST APIなどにも対応しており、ベンダーロックインを起こさずに既存環境の利用が行える点が特徴という。

仮想化前よりDBが高速化!?

photo ネットワールド VMwareソリューション課 係長 三好哲生氏

 「ビジネスに生かせるデータベース基盤には、高速なストレージが欠かせない」と主張するのはネットワールドでVMwareソリューション課 係長を務める三好哲生氏だ。講演では、データ分析基盤におけるストレージの重要性を解説した。

 サーバ仮想化やストレージ仮想化、ネットワーク仮想化など、今や大半のシステム管理者が仮想化環境を管理しているが、その多くはパフォーマンスにおいて、同様の課題を抱えているという。「ネットワーク帯域やアプリケーション統合によるI/Oの増加など、さまざまな要因はありますが、実に7割がストレージのボトルネックに起因するものなのです」と三好氏は話す。

 こうした問題は、単にストレージの数を増やしたりフラッシュストレージを導入するだけでは解決しにくく、コストばかりがかさんでしまう。そこで三好氏が推奨するのは、ストレージの容量と性能を分離し、性能だけをスケールアウトできるアーキテクチャの構築だ。

 ネットワールドが取り扱う「PernixData FVP」は、各サーバが搭載するフラッシュメモリ(もしくは物理メモリ)を仮想化するソフトウェアで、共有ストレージへの読み取り、書き込みを高速化するキャッシュを構成し、ストレージを高速化する。

 データベースのパフォーマンスを改善し、6時間以上かかっていたバッジ処理が30分未満に短縮したUS地域銀行や、アクセス数の増減が激しいスマートフォン向けゲームのストレージ基盤を刷新したセガネットワークスなど、さまざまな業種業態での採用が進んでいるという。

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