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» 2015年07月10日 07時00分 UPDATE

女子ヘルプデスクのプロマネ修行奮戦記:プロマネは“コストのギャップを埋める”錬金術師? (1/3)

次なる難関はお金の話、“コスト・マネジメント”。ついつい「予算の範囲内でまかなうために、どこにいくら使えるか」って考えてしまいがちだけど、それではダメみたい。だとすると、どう考えればいいのか……。

[鐙貴絵,ITmedia]

これまでのあらすじは

 会社でヘルプデスクを担当する私が、ある日突然、在宅ヘルプデスク部門開設プロジェクトのマネジャーに任命されてしまったから、さぁ大変。鬱憤晴らしで飲みに出かけたら、今度は勢いでPMBOK(ピンボック)とやらを勉強するハメに……。しかもしかも! いつの間にかPMP(Project Management Professional)の資格試験を受けることになっている……。私は在宅ヘルプデスク業務のプロジェクトを成功に導けるのか? PMPの試験に合格できるのか? いや、そもそも、受験できるのか?


 コスト・マネジメントかぁ……。

 私がプロジェクト・マネジャーを務める(ことになった)「在宅ヘルプデスク業務開設プロジェクト」。早く計画から実施段階に進めたい! と、気がはやるけど、そもそもまだ始まってもいないのよね。

 第一、プロマネとしての知識がない私にとっては、参考書を読んでPMBOKの知識を入れることが先決だ。目の前にある参考書のページをめくると、次に学習するのは“コスト・マネジメント”ということになっている。

 コスト・マネジメントねぇ……。確かに「コストを管理する」のは大切だけど、プロジェクトってのは最初から予算が決められていて、「これでやりくりしてね」って言われるのだから、「何をいまさら」って気がするんだけどなぁ。

 今の私はちょっと気が抜けている。理由は2つ。1つはスコープ・マネジメントやタイム・マネジメントの学習が終わったこと(学習が終わった時点で「できた」気になっているところが、私のオメデタイところだ)。もう1つは、コスト・マネジメントという考え方に少し抵抗があることだ。

 コストって、つまり経費でしょ。“経費をマネジメントする”っていうくらいだから、何にいくら使ったのかってことを記録するだけじゃないわよね。プロジェクトの総額がいくらになるのかを算出したり、プロジェクト実行中に予算超過していないかチェックしたりするのも含まれるんだろうな。

 いずれにしても、上からはいつも「経費削減、経費削減」って言われるこのご時世だから、コスト・マネジメントの目的も、きっと「いかにコストをかけずにプロジェクトを成功させるか」ってことなんだろうな。

 そういえば、読者のみなさんは「CD」と聞くと何を連想しますか? 音楽CD? キャッシュ・ディスペンサー? それとも、ク○ス○ャン・ディ○ール? 私の会社ではなんと、コストダウンのことを「CD」って言うのよね。社内でほとんど標語化してしまっているんだけど、大丈夫かな……。

 さて、話をPMBOKに戻して……。簿記の知識は関係あるのかしら。そう思いながら参考書のページをパラパラめくってみたけど、簿記に出てくるような用語は出てこない。大学生のころに簿記の資格を取ったから、「ちょっとラクできるかも」なんて思ったんだけど、その思惑は外れてしまった。

 「ラクしよう」なんて思っていると後で大変な目にあうから、ちゃんと初めから読み込んで“コスト・マネジメント”とやらを理解しなければ。頭を切り替え、改めて参考書を読むことにした。

 最初は「コスト・マネジメント計画」だ。これまでの章と同じく「計画プロセス」のトップは予算をどのように立てるのか、どのようにチェックするのかという方法論を決めておく「計画」から入るのね。

 「コストの計画」って言葉からでてくる私のイメージは、“どの程度お金が必要なのか”を計算して「予算を取りに行く」という感じ。例えば、「このプロジェクトではこれだけお金がかかりますからよろしくね」って会社に掛け合うイメージがある。

 とはいえ、私が担当する「在宅ヘルプデスク業務開設プロジェクト」はすでに予算が決まっている。とすると、私の仕事はその予算のうち、何に対していくら配分できるのかってことを考えればいいのかしら。

 そう思って参考書をペラペラめくってみたけど、「配分」などという言葉はどこにも書いてない。その代わりに目に飛び込んできたのは、次のページにある「コスト見積り」という文字だった。

わたし んー。予算枠がすでに決まっている場合、「コスト見積り」って役に立つのかな? 例えば予算が100万円って決まっている場合、実際にかかるコストをまじめに見積もって「150万円かかります」って出てきたら、がっくりするだけじゃない。まあ、予算金額のうち、どの部分にどの程度の金額を配分するかを考えるには役に立つか……。

Photo イラスト:本橋ゆうこ

 ということを考えていると、突然、声がした。

Aさん それはダメだねぇ。

わたし ひゃわっ!!

 カランコロンコロ~ン……!! びっくりした!! 私は知らないうちに、思っていたことを声を出していたらしい。しかもその声に反応した返答が返ってきた。まさかこのタイミングで声をかけられるなんて思ってなかった。

 カランコロン? かなり集中していた私は、本当に本当にびっくりした。びっくりしすぎて、心臓が飛び出て、勢いよく床を転がっていったような気がしたのだ(口から飛び出した心臓がこんな音を立てるってことは私の心臓、よっぽど固いってことだよね……)。こんな妄想が浮かぶのは、私の脳みそが現実逃避モードに入っている証拠だ。

 例によって、やがて脳みそが再起動。そういえば、あんなことこんなこともあったなぁ。不測の事態が起きると、どうも私の脳はフリーズしてしまうようだ。再起動後にひきつった笑顔にならないよう、ヘルプデスク業務で培ったスマイルを浮かべながら、何事もなかったかのようにAさんに問い返す。

わたし えっ? ダメって何がダメなんですか?

Aさん “配分する”って考える時点でダメだな。

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