業務改善や経営改革に役立つ知見を得られるデータ分析。分析の担い手となる「データサイエンティスト」の仕事と、求められるスキルを分かりやすく解説します。
カップ麺を待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスのみなさんのこんな課題を解決します。
ネットサービスやソーシャルメディアの普及、IoTの需要拡大により、収集・蓄積が可能なデータの種類と量が急激に増大しています。これらの膨大なデータ(ビッグデータ)は、目的を持って分析されるようになり、ビジネスや生活に役立つさまざまな洞察や知見を引き出しています。
こうしたデータの分析に携わる専門家が、「データサイエンティスト」です。
彼らは、経営や業務上の課題を正しく理解し、ビッグデータに内在する関連情報やその傾向などを統計的な知識、手法、あるいは人工知能などを駆使して分析し、課題解決の手段、問題の原因、最適化の方法を探り出します。
具体的には、例えば次のような仕事が考えられます。
データサイエンティストとしてこのような役割を果たすためには、主に次の3つのスキルが求められます。
いくら膨大なデータが手元にあっても、それを分析できなければ使い道がありません。そうした背景から、データサイエンティストという仕事に今、熱い視線が注がれています。
こうしたデータサイエンティストのノウハウを人工知能(AI:Artificial Intelligence)に代替させようという取り組みも始まっています。IBMのクラウド型分析ソリューション「Watson Analytics」は、そんな取り組みの1つです。
例えば、次のような日常的な言葉で、質問をします。
Watson Analyticsは、この質問の内容や意味を分析し、該当するデータや解法を選択、答えとなる表やグラフを提示してくれます。
「何のために、何を知りたいか」は、人間が決めなければなりません。また、結果を解釈し、どのように判断するかは、人間に任されています。しかし、必要なデータをそろえ、どのような方法で分析すればよいかは機械が考える――といった役割分担が今後は当たり前になるのかもしれません。
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィールはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤリティフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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