竹内氏は、セキュリティからみたXenAppのメリットも強みに挙げる。XenAppはファイアウォールの内側にあり、クライアントと独自のICAプロトコルを使って画面情報を表示する。アプリは、仮想環境であるXenApp上のブラウザで実行する。実際のデータはローカルデバイスにはなく「内側と外側を分けられる」。でも、ユーザーからは一般的なPC環境と同じように扱える、というのがキモだ。先日の日本年金機構の情報漏えい事件で危険性が浮き彫りになった、標的型攻撃からのシステム侵入の対策も行えることになるという。
XenAppの2015年現在最新版は「XenApp 7.6」となる。7.x系は2013年に最初にリリースされたが、ユーザーのアプリケーション、OS、サーバのアップグレードプロジェクトの移行と合わせたいといったニーズがあり、2015年現在も6.x系のユーザーはまだ多い。同社はその6.x系ユーザーのニーズに沿い、7.6と同等の機能を追加する「Feature Pack 3」を提供し、かつ2017年12月までメインストリームメンテナンスのサポート期間を延長する。
機能追加を行う「XenApp 6.5 Feature Pack 3」は最新版のReceiverと接続インタフェース「StoreFront」などの新機能を盛り込んでいる。同時に、ユーザー移行の準備として「StoreFront 3」ではXenApp 5/6および6.5/7と複数バージョンを統合して利用できるようにした。
このほか、新しいレイヤリング技術「AppDisk」、劣悪なネットワーク環境(電波状況が異なるモバイルネットワーク利用時など)での性能(操作性)を改善するチャネル技術「Framehowk」、iOS版Receiver経由で仮想WindowsとWindowsアプリケーションを快適に使う(iOSデバイスでは表れない、マウスカーソル+マウス操作を実現する)VDI環境で使うための自社製マウス「X1」など、どの状況でも「同じワークスペースを実現する」ための最新技術も用意する。
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