シトリックスが「モバイルワークスペース」を強く提唱する理由なぜ“攻め”の企業に必要か(2/3 ページ)

» 2015年07月29日 13時00分 公開
[末岡洋子ITmedia]

セキュリティ面でのXenAppのメリット

 竹内氏は、セキュリティからみたXenAppのメリットも強みに挙げる。XenAppはファイアウォールの内側にあり、クライアントと独自のICAプロトコルを使って画面情報を表示する。アプリは、仮想環境であるXenApp上のブラウザで実行する。実際のデータはローカルデバイスにはなく「内側と外側を分けられる」。でも、ユーザーからは一般的なPC環境と同じように扱える、というのがキモだ。先日の日本年金機構の情報漏えい事件で危険性が浮き彫りになった、標的型攻撃からのシステム侵入の対策も行えることになるという。

photo 仮想デスクトップ/アプリをベースに作業する環境により、ブラウザのぜい弱性や標的型攻撃からのリスク対処にもつながる

 XenAppの2015年現在最新版は「XenApp 7.6」となる。7.x系は2013年に最初にリリースされたが、ユーザーのアプリケーション、OS、サーバのアップグレードプロジェクトの移行と合わせたいといったニーズがあり、2015年現在も6.x系のユーザーはまだ多い。同社はその6.x系ユーザーのニーズに沿い、7.6と同等の機能を追加する「Feature Pack 3」を提供し、かつ2017年12月までメインストリームメンテナンスのサポート期間を延長する。

XenApp 6.5の延長サポート期間

  • 2017年12月31日:メンテナンス終了(EOM)
  • 2018年6月30日:製品ライフ終了(EOL)
  • 2020年1月14日:有償延長サポート終了(EOES)


 機能追加を行う「XenApp 6.5 Feature Pack 3」は最新版のReceiverと接続インタフェース「StoreFront」などの新機能を盛り込んでいる。同時に、ユーザー移行の準備として「StoreFront 3」ではXenApp 5/6および6.5/7と複数バージョンを統合して利用できるようにした。

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photo StoreFront(VDIアプリ配信機能)から、異なるバージョンのIEを個別に混在して使える。IEのバージョン依存を理由に貸与端末のWindowsのバージョン管理や購買状況に苦慮する情シスは多い。XenAppは企業が抱えるIE問題も、ある程度容易に解決できる

 このほか、新しいレイヤリング技術「AppDisk」、劣悪なネットワーク環境(電波状況が異なるモバイルネットワーク利用時など)での性能(操作性)を改善するチャネル技術「Framehowk」、iOS版Receiver経由で仮想WindowsとWindowsアプリケーションを快適に使う(iOSデバイスでは表れない、マウスカーソル+マウス操作を実現する)VDI環境で使うための自社製マウス「X1」など、どの状況でも「同じワークスペースを実現する」ための最新技術も用意する。

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