プロジェクトを進めるうえでは、誰にどんな役割を割り当てるかが重要だよね。さっそく在宅ヘルプデスクプロジェクトの役割分担をしてみたら……意外な人の意外な能力に気がついちゃったかも……。
会社でヘルプデスクを担当する私が、ある日突然、在宅ヘルプデスク部門開設プロジェクトのマネジャーに任命されてしまったから、さぁ大変。鬱憤晴らしで飲みに出かけたら、今度は勢いでPMBOK(ピンボック)とやらを勉強するハメに……。しかもしかも! いつの間にかPMP(Project Management Professional)の資格試験を受けることになっている……。私は在宅ヘルプデスク業務のプロジェクトを成功に導けるのか? PMPの試験に合格できるのか? いや、そもそも、受験できるのか?
今日も順調(?)に「在宅ヘルプデスク業務開設プロジェクト」の準備を進めているわたし。いまだに右も左も分からないままだけど、「とにかく計画プロセスを早く進めなければ」と気だけが焦っている。実際のプロジェクトとPMPの勉強を並行して進めるのは、意外と大変だ。
さて、勉強のほうは……「プロジェクト人的資源マネジメント」だ。昼休み、参考書を片手にコーヒーを飲んでいると、上司Aさんがやってきた。
Aさん 学習は進んでいるかい?
わたし あ、Aさん。まあ、そこそこ、それなりに……。
Aさん 今はどこのプロセスを学習しているんだい?
わたし これから、プロジェクト人的資源マネジメントの勉強を始めるところです。
Aさん なるほど。じゃ、早速だけど、「プロジェクト人的資源マネジメント」「プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント」、そして「プロジェクト・ステークホルダー・マネジメント」の3つって同じような内容だと思わないか?
わたし え?
Aさん 何が違うかをちゃんとおさえて学習するといいよ。よく混乱するから。PMPを受験する人はけっこう悩むらしいよ。そもそも、どうして分かれているのかという着眼点を持って学習してごらん。
Aさんはそれだけ言うと、「じゃーねーっ」と仕事に戻っていってしまった。相変わらず、何を考えているかよく分からない人だ……。
それにしても、Aさんの最後の言葉が気になる。まさに今、参考書のプロジェクト人的資源マネジメントの章を開いたばかりだ。さっきのひと言は、「後で学習する2つのプロセス群との違いを意識して勉強したら良い」というアドバイスだよね?
確かに、知識エリアのタイトルから受けるイメージは、どのプロセスも似たような印象を受ける。ステークホルダー、つまり利害関係者とのコミュニケーションの取り方は大切だ。ヘルプデスクの仕事は、ヘルプコールをかけてきた相手の話をよく聴き、何が起きているのか、何が問題なのかを判断し、その解決策を相手に分かるように伝えることが日常の業務の中心にある。専門知識もさることながら、実は一番求められるのはコミュニケーション能力だったりする。
もちろん、ヘルプコールをかけてくる相手はステークホルダーにあたる。なら、ステーホルダーの管理とコミュニケーションの管理って似たような感じになるのも分かるような気がする。それにどちらも「人」がかかわっているから、プロジェクト人的資源マネジメントの内容も似たり寄ったりになりそうだよね。Aさんのアドバイスでかえって霧の中に放り出されてしまったような気がしなくもないが……。
わたし この3つのプロセスの違いに気をつけながら学習を進めればいいのね。やってみよう。ひとまず、概要を読み比べてみようかな。
と、まずは、それぞれの概要のページを開けてみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.