え、あの人にこんなスキルが!? プロマネ修行でお宝発見!女子ヘルプデスクのプロマネ修行奮戦記(2/3 ページ)

» 2015年08月21日 13時00分 公開
[鐙貴絵ITmedia]

 それぞれのプロセスの概要の最初の段落には、こう書いてある。

  • プロジェクト人的資源マネジメント

プロジェクト・チームを組織し、マネジメントし、リードするためのプロセスからなる

  • プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント

プロジェクトの情報の計画、収集、生成、配布、保管、検索、マネジメント・コントロール、監視、そして最終的な廃棄を適時かつ適切な形で確実に行うために必要なプロセスからなる

  • プロジェクト・ステークホルダー・マネジメント

プロジェクトに影響を与えたりプロジェクトによって影響を受けたりする可能性がある個人やグループまたは組織を特定し、ステークホルダーの期待とプロジェクトへの影響力を分析し、ステークホルダーがプロジェクトの意思決定や実行に効果的に関与できるような適切なマネジメント戦略を作成するために必要なプロセスからなる

 プロジェクト・ステークホルダー・マネジメントだけ、やたら長い。

 むむむ。チームを作るのがプロジェクト人的マネジメントの活動なのかな。それで、プロジェクト・コミュニケーション・マネジメントでチーム内の情報交換のルールを決める。さらにプロジェクト・ステークホルダー・マネジメントでそのチームにいる人物についていろいろと調べておくのかしら。

 概要の一部から“全てをつかもう”なんて、無理なんだけど、そんな感じなんじゃないかなぁと勝手に思い込んで学習を進めることにした。

 他のプロセスと同じように、プロジェクト人的資源マネジメントも計画プロセスから入る。人的資源マネジメント計画は、「プロジェクトにおける役割、責任、必要なスキル、報告関係を特定し文書化し、さらに要員マネジメント計画書の作成を行うプロセスである」とあった。この要員マネジメント計画書は、要員の獲得、離任の予定、トレーニングが必要かどうかの判断が含まれる。さらにどういう場合に報奨や表彰をするかも記載されている。

 つまり、このプロセスは、「プロジェクトを成功させるためにそのプロジェクトに必要なスキルを持った人を特定するための活動を行い、特定された人をプロジェクトに参加する時期や逆にその人に別のプロジェクトへ移動してよいという離任時期も計画しておく」らしい。さらに、表彰、報奨に関することも計画しておくのね。

 離任の予定もちゃんと計画するってのが面白い。それに、どういう場合に表彰や報奨をするのかという基準をしっかり決めておくことや、それをメンバーに知らせておくことは大切よね。これはモチベーションにもかかわるし。

 その人的資源マネジメント計画書のツールに、責任分担マトリクス(RAM,Responsibility Assignment Matrix)という興味深いものがあった。プロジェクト全体や、プロジェクト活動を細分化したWBS(正確にはWBSに記されたワーク・パッケージやアクティビティごと)が、全て人やチームに割り当てられていることを明確にするための格子状の表のことだ。

 特定のアクティビティに関する役割、責任、権限レベルを明確にするためにグループの内部において使われるらしい。つまり、ワーク・パッケージやアクティビティごとに、誰がどんな役割を担っていて、どこまでの責任を持ち、どのような権限が与えられているかが分かる表ってことみたい。

わたし 確かに、責任の範ちゅうが明確になるというのはとても重要だもんねぇ。そうだ、午後の仕事はこのマトリックス型チャートの1つ、RACIチャートまで作ろうかな。私が担当する「在宅ヘルプデスク業務開設プロジェクト」で最終的な責任を負う人や権限がどこまでかってことを明らかにしておきたいものね。

 早速、自分のデスクに座って、まずはプロジェクト全体のRACIチャートを作り始めた。

わたし 「在宅ヘルプデスク業務開設プロジェクト」の中で要求事項を収集する場合、説明責任者(Accountable)は、私になるのかな? 説明責任者は1人だけだし、ほかの誰かに頼むってわけにいかないし。で、実行責任者(Responsible)は、ん? 誰になるんだ? 実際、それぞれに仕事をお願いするみんな? A子やM君もや同じ部署のYさんも入るのかなぁ。いろいろと相談するのは、上司のAさんよねぇ。となると、相談対応(Consult)はAさんか。で、情報提供(Inform)は、えっと……誰になるんだろう。そもそも、情報提供って提供先? 提供してもらうほう?

Photo 在宅ヘルプデスク業務開設プロジェクトに必要な項目とメンバーへの割り当てを表にしてみた

 教材に書かれていることを実務に置き換えようとすると、どうも細かいところが分からない。あ、これこそ相談すべきよね! で、相談するなら、やっぱり、Aさん? ということでAさんのところに行ってみた。

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