コニカミノルタとサッポロが示す「デバイス管理とBYOD」実践・徹底への道筋ITmedia エンタープライズ ソリューションセミナー リポート(3/4 ページ)

» 2015年08月25日 19時00分 公開
[岡崎勝己ITmedia]

モバイル管理の多様な要求にワンストップで対応──日本IBM

photo 日本IBM セキュリティシステムズ事業部アプリケーション&エンドポイント セキュリティー部長の赤松猛氏

 本セミナーでは、企業のスマートデバイス管理を支える先端ソリューションも多数紹介された。まず、日本IBMのセキュリティシステムズ事業部でアプリケーション&エンドポイント セキュリティーの部長を務める赤松猛氏が「モバイル活用のビジネスへの期待と課題」と題した講演を行った。

 モバイル活用が加速する中、企業は既存システムに起因する2つの問題に直面しているという。1つ目は技術的にすべてのデバイスのセキュリティ確保は難しいこと。2つ目はぜい弱性の管理にコストがかかりすぎることだ。

 「容易なデバイス管理や、安全な社外からのリモートアクセス、個人データと業務データの分離など、モバイルシステムには多様な要求が突きつけられます。既存システムではそれらに個別に対応するしか手はありませんが、そのために多大なコストと手間が必要なことが、モバイル利用の一番のネックと言えるのです」(赤松氏)

 この状況の打開に向けて赤松氏が必要性を訴えたのが、あらゆる課題へ一元的な対応が可能なモバイルデバイス管理(MDM)ツールである。

 この要件を満たす手段として提示したのがIBMの「IBM MobileFirst Protect」だ。その利用を通じ、ポータルでの端末の短期間でのセットアップや、専用ゲートウェイによる認証と暗号化、アプリケーションベースでのアクセス制御など、懸念されるリスクへの総合的な対応がワンストップで実現できる。

 「IBM MobileFirst Protectはクラウド型のサービスであり、容易に利用に乗り出せることがメリットの1つ。Forrester Waveが2014年に実施した“エンタープライズ・モバイル管理”調査レポートでも最高スコアを獲得していることからも、機能面の高さや豊富さは折り紙つきです」(赤松氏)。

photo IBM MobileFirst Protectの紹介ページ

コラボレーションの連携支援でMDMツールベンダーと差別化──ディメンションデータジャパン

photo ディメンションデータジャパン クラウドビジネス部部長の金子眞治氏

 NTTグループの一員であるディメンションデータジャパンもEnterprise Mobility-as-a-Service(EmaaS)と銘打ち、エンタープライズモビリティ/MDMに必要な機能をワンストップで提供するクラウド型サービスを提供している。同サービスはデータ保護のためのMDMや、コスト削減に向けた通信費リポート、サポートのためのインシデント/イベント管理などの機能を包含したものだが、中でも特徴的なものが「ポリシー管理」機能である。

 登壇したディメンションデータジャパン クラウドビジネス部部長の金子眞治氏は、「EMaaSにはセキュリティレベルを基に5つのポリシーテンプレートが事前に用意されています。それらを、部門や職務、場所ごとにそれらを柔軟に割り当てることで、煩雑なポリシー策定や管理の手間を抜本的に軽減でき、知識が乏しくても作業が行えるようになるのです」と説明する。

 その上で金子氏は「スマートデバイスが最も活用できるのはコミュニケーションコラボレーションの分野です」と断言する。そのことを踏まえ、同社があわせて提供に乗り出したのが、Microsoft Lync/Exchange/SharePointの連携により多様なコミュニケーション手段を統合する「Cloud Service for Microsoft」である。同サービスは、スマートデバイスの付加価値を高める同社ならではのサービスと位置付け、すでに国内の金融サービス上場企業に採用された実績も誇る。

 その提案活動にあたっての同社の武器が、過去200万以上のExchangeのメールボックスを移行してきた高いインテグレーション能力だ。「我々はグローバルで5000名以上ものマイクロソフトの認定資格所有者を抱えており、どんなニーズにも合致した環境を構築することができる」と金子氏は力強くアピールした。

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