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» 2015年09月03日 08時00分 UPDATE

企業のトップが見据えるべきマイナンバーの「先」:マイナンバー制度で問われているのは情報を守る価値観や新規事業の創造力 (1/3)

年金機構の情報流出事件でマイナンバー制度に対する国民の不信感も高まっているが、企業は粛々と制度対応を進めなければならないことに変わりはない。そこでは、企業として大切な利害関係者の情報をどう守るのか、その姿勢や価値観、さらには新たなビジネスを創造する力が問われていると言っていいだろう。

[浅井英二,ITmedia]

 「マイナンバー、年金番号との連結は延期?」── 日本年金機構の個人情報流出事件で厚生労働省の第三者検証委員会が報告書を公表したこの8月下旬、一部報道機関は政府がマイナンバー制度と基礎年金番号との連結を延期する方向で調整することが決まった。国民の不信感の高まりを受け、参議院での審議が止まっていたマイナンバー法改正案を修正、延期の期間は半年から1年となるようだ。

photo 2016年1月に始まる「マイナンバー(社会保障・税番号)制度」(内閣官房)

 マイナンバー制度への対応を急ぎ進めようと準備を始めた企業にとっては、少し余裕が生まれたような気もするだろうが、今回の「延期」は、日本年金機構がマイナンバーと個人の基礎年金番号を住民基本台帳ネットワーク経由で連結する作業の延期。年金機構内部でのマイナンバー利用に限った話であり、民間企業は2016年1月の制度開始に向け、粛々と制度対応を進めなければならないことに変わりはない。税分野では、来年、つまり平成28年の源泉徴収票にはマイナンバーの記載が必要になり、また、社会保障分野では、平成29年から従業員の健康保険や厚生年金の加入手続きでマイナンバーが必要になる。

 そもそもマイナンバー制度の狙いは、行政を効率化し、国民の利便性を高めるとともに、その一方で国が個人の資産情報を把握して公平・公正な社会を実現することだ。その狙いからして、マイナンバーの利活用は、今後より深く、そして分野も拡大されていくはずだ。

 マイナンバー(個人番号)それ自体は単なる12桁の数字だが、さまざまな個人情報とひも付けられるため、「漏えいしたら悪用される、生活が脅かされる」と国民の間には大きな懸念がある。国の行政機関や地方公共団体がしっかりと対応を進めるのはもちろんだが、制度対応を迫られる民間企業も、極めて機密性の高い個人情報に関連付けられる個人番号を扱うことになる。組織として取り組む基本方針から始まって、その取り扱い規定を策定して組織体制を整え、担当者の教育、そして支える仕組み、情報システムの対応まで幅広い安全管理措置が必要になる。



 このような背景がある中、企業はマイナンバー制度をどう考え、対応して行くべきか。自治体や民間企業に向け、マイナンバー制度ソリューションを体系化し提供する富士通にそのヒントを聞いた。

photo 富士通 マーケティング戦略室 企画・管理部長 兼 番号制度推進室長の木田順啓氏

 「業務プロセスからしっかりと見直さないと、不適切な取り扱いが起こり得る。単にシステム改修すれば済むというものではない。今後、マイナンバー制度の拡充も予定されており、一度対応したら終わりというものでもない」と話すのは、富士通 マーケティング戦略室で番号制度推進室長を務める木田順啓(のぶひろ)氏。

 2014年末になって公開された「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」を読まれた読者も多いだろう。そこで示された安全管理措置のポイントは大半が、情報システムとして従業員はもちろん、大切な顧客あるいは事業に協力してもらっている個人事業主の情報をどう取り扱うのか、つまり、企業がステークホルダーの情報をどう守るのか、その姿勢や価値観が問われていると言っていいだろう。

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