水道トラブル8000円、スマホ決済でスマートにできる理由(2/3 ページ)

» 2015年09月17日 08時00分 公開
[池田憲弘ITmedia]

“口コミ”で出会った「Square」を導入

photo アンセイ 常務取締役の一条康剛さん

 解決策を探していたころ、一条氏は施工・修理のマッチングサイトを運営している知り合いからモバイル決済サービス「Square」の存在を教えてもらったという。

 Squareはスマートフォンやタブレット端末をクレジットカードの決済端末に変えるカードリーダー。イヤフォンジャックに手のひらサイズの小さなカードリーダーを差し込むと、クレジットカード決済が行える。従来のカード決済端末よりも導入・運用コストが低く、決済手数料が安価なことがメリットだ。一条氏は同社がカードリーダーとPOSレジアプリを無料で提供していることに興味を持った。

 「初期費用がかからないのは魅力的でした。クレジットカード決済の機器といえば、宅配業者が使っているような1台数万円するようなイメージがありましたから。無料なので社内で話も通しやすく、話を聞いてからすぐ導入を検討しました」(一条さん)

 Squareでは1決済ごとに決済額の3.25%を手数料として徴収する(VisaやMasterCard、American Expressに対応)が、これは一般的なクレジットカード決済代行サービスの手数料(5〜8%)よりも安いうえ、決済伝票を紛失するリスクを防げる。

photo Squareはイヤフォンジャックに手のひらサイズの小さなカードリーダーを差し込むと、クレジットカード決済が行える

 検討の際に懸念したのはセキュリティ面だった。決済情報はどう送信されるのか、決済に使ったスマートフォンに情報が残るのかどうか、カード決済の操作がスキミングと誤解されないか――。しかし、こうした疑問もSquareスタッフの説明を受ける中で解消されていった。

 Squareはカードがスワイプされた時点で取引情報を暗号化し、その後自社サーバでトークン化して保存する。端末自身にはカード番号、個人情報は一切残らないという。取引情報は常に監視下にあり、各カード会社のセキュリティ基準を満たしたシステムとなっている。

 一条さんがSquareの存在を知ったのは2014年12月。そこから約1カ月でテスト導入に踏み切った。端末は各スタッフのスマートフォンを使うことにしたこともあり、スタッフへの“教育”期間は約2週間で済んだという。同社にプロパーのエンジニアが多数いたことも素早い導入を実現した一因となった。

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