Adobe、iOS向け無料「Photoshop Fix」他、多数の新製品を発表

Adobeが「MAX 2015」を開催し、モバイル向け新アプリ「Photoshop Fix」や3Dモデリングツール「Adobe Fuse」など、多数の新製品や既存製品のアップデート、Typekitへのモリサワフォントの追加などを発表した。

» 2015年10月06日 10時08分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Adobe Systemsは10月5日(現地時間)、年次カンファレンス「Adobe MAX」を開催し、多数の新製品や既存製品のアップデートを発表した。

 主な新製品を簡単に紹介する。

無料の写真編集ツール「Photoshop Fix」(iOS版)

 「Photoshop Fix」は、プロフェッショナル向けの写真編集ツール「Photoshop CC」(単体プランで月額2180円)の基本的な機能を使える無料の単体モバイルアプリ。同日iOS(iPadとiPhoneのユニバーサル)アプリがApp Storeで公開された。Android版も準備中という。無料だが、Adobe IDの登録が必要だ。

 米Appleが9月に開催した「iPad Pro」などの発表イベントのデモで披露した、顔のパーツを選んで修正(口角を上げて微笑させるなど)する「Heal and patch」機能も搭載する。不要なオブジェクトを消したり、髪の毛など部分を選んで色を変える機能などもある。

 adobe 1 Photoshop FixのHeal and path機能

「Brush」「Color」「Hue」「Shape」をまとめた「Capture CC」(iOS/Android)

 「Capure CC」は、これまで「Brush」「Color」「Hue」「Shape」という単体アプリとして無料で提供してきたツールをまとめたもの。iOSおよびAndroid版が同日無料で公開された。

 BrushはPhotoshopやIllustratorなどのAdobe製品で使うデジタルブラシを作成するツール、ColorはAdobe製品で使うカラーテーマ(色の組み合わせ)を作成するツール、Hueは色や光を動画のフィルターやエフェクトに使うツール、Shapeは端末で撮影した形をベクター素材に変換するツールだ。

デザインツール「Project Comet」(2016年リリース予定)

 「Project Comet」は、オランダBohemian Codingの「Sketh」と競合するベクタードローイングツール。2016年のリリース予定で、価格などは発表されていない。デスクトップとモバイルで利用できるようになる見込み。Adobeによると「設計からプロトタイプ作成までに必要なすべてが揃う」という。

 adobe 2 Project Comet

3Dモデル作成ツール「Adobe Fuse」

 「Adobe Fuse」は、取り込んだ画像などから3Dキャラクターを作成できるツール。作成した3DキャラクターはPhotoshopに取り込める。同アプリは6月に買収した米Mixamoのアプリ。Adobe Creative Cloudのアプリとしてリリースされる見込みで、現在はプレビューを利用できる。Mac OS X v10.8以降、Microsoft Windows 7以降をサポートする。


「リュウミン」など20のモリサワフォントがTypekitで利用可能に

 モリサワとの提携により、Adobeのフォントライブラリ「Typekit」に「リュウミン」など20のモリサワフォントが追加された。Adobe CCのユーザーは追加料金なしで、これらのフォントをWebおよび印刷物で使える。

 adobe 3 Typekitに追加されたモリサワフォント一覧

 この他、Photoshop、Dreamweaver、Muse、InDesign、Flash Pro、Premiere Pro、After Effectsなど、ほぼすべてのAdobe CC製品でのアップデートや新サービスについても発表があった。すべての発表についてはAdobeの公式ブログを参照されたい。

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