Windows 10初の大幅アップグレード、どう変わるのか?Enterprise IT Kaleidoscope(3/3 ページ)

» 2015年11月18日 08時00分 公開
[山本雅史ITmedia]
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企業でのWindows 10のアップグレード

 企業ユーザーにとってWindows 10のアップグレードはやや注意が必要だ。現状でTH2は、Windows Updateを通じて配布される。このため、Windows Server Update Service(WSUS)やIntuneなどでWindows OSのアップデートを管理している企業以外(個人がWindows Updateなどを行っている場合)は、IT管理者の確認が済まないうちに、ユーザーがTH2へアップグレードしてしまう可能性がある。

TH2のアップグレードを延期するには、「Windows Updateの詳細オプション」で「アップグレードの延期」を選択する。Insider Previewでも以前は「Fast」と「Slow」リングしかなかったが、TH2ではスライダーでリングのスケジュールを変更できる。現状ではスライダーでもFastとSlowしかないが、将来的には3段階、4段階のリングが用意され、Windows Update for Businessに対応する

 もちろんTH1とTH2は、Windows 10としての互換性を保っているため、ほとんどの場合において問題はないだろう。しかし、例外的に問題が生じる可能性はゼロではないので、企業ではユーザーによるアップグレードが行わないように計画的な対応が求められる。

 Microsoftもこのような状況を認識しているため、Windows Updateによるアップグレードを延期している。また、企業向けのWindows 10 Enterpriseではコンシューマー向けのWindows 10 Proとは異なり、すぐにアップグレードを適応するのではなく、3〜9週間遅れてアップグレードを適応するようにしていく方針だ。

 さらに「Windows Update for Business(WUB)」という、企業向けのWindows Updateも提供される予定だ。WUBでは企業のクライアントPCを複数のリング(グループ)に設定しておき、グループごとに異なるスケジュールでアップグレードを適応できるようになる。

 先に述べたようにWindows 10は、今後も年数回の大幅なアップグレードが計画されている。これまで企業はWindowsの新バージョンリリースから数年は状況を見つつ、社内のクライアントPC(ハードウェア)の入れ替え時期と合わせてOSを刷新していた。Windows 10からは従来の方法でなく、適宜アップグレードが行われていく。企業でも最新のアップグレードの状況を確認しながら、半年以内にアップグレードを適応していくことが求められていく。

 今後のWindows OSはこのような仕組みになると考え方を改め、OSのアップグレードに追従していくことになるだろう。もしアップグレードをしないなら、「Windows Enterprise LTSB(Long Term Servicing Branch)」を導入していくという方法もある。

ついにやってきた「Windows 10」、企業はどうすればいいの?

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