「その報告、今必要?」 ホウレンソウから自分の時間を守る3つの方法プロマネ1年生の教科書(2/2 ページ)

» 2015年11月19日 08時00分 公開
[岩淺こまきITmedia]
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「I need Your help」の仕組みがメンバーの安心感を生む

photo ルールを作る一方で、いつでも助け船を出せる仕組みを作ることが大切です

 ホウレンソウに関してさまざまなルールを定めると、メンバーから「この人は話を聞きたくないのかな?」などと思われ、コミュニケーションが減ってしまうリスクがあります。情報を整理する一方で、どうしても自分では解決できないことなど、上司の助けが欲しいメンバーをいつでも助けるというシステムも同時に作っておくことが大切です。

 とある外資系企業では「I need Your help」を件名に入れ、上司に助けを求める仕組みがあります。この仕組みのポイントは、“どんなタイミングでも遠慮なく言って”という漠然とした指示ではなく、「I need Your helpという文言を件名に入れる」とルールを明確にしていること。そして、メールを受け取ったプロマネが、全ての仕事を止めて、最優先で問題解決にあたることをメンバーに約束することです。(参考:久世浩司著「なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?」)

 こうすることで、チームの危機を未然に防ぎつつ、メンバーの安心感を作ることができます。もしも、仕組みを導入したとたんに「ヘルプメール」が大量に届くようであれば、今までがホウレンソウしづらい雰囲気だったのだと思って、対応していくしかありません。

相談を受けるのは「人徳」がある証拠

 意図しない割り込みを防ぐ工夫としては、その他にも「相談の時間を予定表に入れる」「デスクの上に“声かけないで”“今大丈夫”といったメッセージボードを立てる」などがあります。

 一見手間に思えるかもしれませんが、これらの工夫でめちゃくちゃなタイミングで作業に割り込まれたり、情報精査の負荷が掛かりすぎることはなくなります。チームの危機を早い段階でつぶしたり、未然に防いだりすることもできるでしょう。先々のことを考え、さまざまな仕組みを作ってみてはいかがでしょうか。

 何かと割り込まれることが多い人は、「メールを立ち上げない」「カフェなど場所を変えて仕事する」など、集中しやすい環境づくりに試行錯誤していることでしょう。こうしたホウレンソウの仕組みを作っても順番待ちができるようならば、それはむしろ“人徳”です。

 世の中には、ホウレンソウをしてくれないメンバーに思い悩むプロマネが多いのが現状です。コミュニケーションが多いのは「ワンランク上の悩みだ!」と自信に思ってください。もちろんそれで身体的な負荷がかかるようならば、メンバーに対応を任せ、思い切って休んでしまうのも手と言えます。

著者プロフィール:岩淺こまき

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 グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/ヒューマン・スキル講師

 大手システム販売会社にて販売促進、大手IT系人材紹介会社にて人材育成、通信キャリアでの障害対応、メーカーでのマーケティングに従事。さまざまな立場でさまざまな人と仕事をし、「ヒューマン・スキルに長けている人間は得をする」と気付く。提供する側にまわりたいと、2007年より現職。IT業界を中心に、コミュニケーション・ファシリテーション・リーダーシップ、フォロワーシップ、OJT、講師養成など、年間100日以上の登壇及び、コース開発を行っている。日経BP「ITpro」で、マナーに関するクイズ形式のコラムを連載中。


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