“脱・ごみ箱ファイルサーバ”の切り札、NIAS×HP 3PARの実力を探るファイル管理の新常識

社内文書の保管先としてファイルサーバを利用する企業は多いが、使う側に管理が任されることが多く、ややもすると“ごみ箱状態”になりがちだ。そんな管理面の課題を解決するのが、SCSKのデータライフサイクルマネジメント(DLM)ソリューションだ。

» 2015年11月25日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR
Photo

 今や、大事なデータの保存や社内の情報共有に欠かせないものとなっているファイルサーバ。Windows Serverで最多の用途はファイルサーバといわれるほどで、取り扱いが容易で安価なNASをファイルサーバとして導入する企業も少なくない。

 多くの企業で当たり前のように使われるようになったファイルサーバだが、課題もある。ファイル容量が増加の一途をたどる今日、真っ先に課題として挙がるのがストレージの容量不足だ

ファイルサーバの管理が難しい理由

Photo SCSK プラットフォームソリューション事業部門の米本祥太氏

 ファイルサーバは、インフラの設置や管理は情報システム部門が担当するものの、中に保存するファイルの管理は業務部門の利用者自身に委ねられている。そのため、業務部門からストレージの容量不足を指摘されると、情報システム部門はそれを補うためにディスクを増設せざるを得ない。

 ストレージ容量が増えれば、バックアップにかかる時間も長くなる。ディスクの増設を繰り返した結果、“週末のフルバックアップが予定した時間内に終わらない”という事態に見舞われるケースもあるほどだ。

 ファイルサーバのストレージ容量が増えていくと、業務部門の効率も悪くなる。利用者自身が管理しきれなくなり、次第にファイルサーバが放置される。そうなると、どこに何のファイルがあるのか分からず、必要な情報を探し出すのに多大な手間や時間がかかるようになってしまうのだ。

 ITインフラビジネスを展開するSCSKのプラットフォームソリューション事業部門の米本祥太氏は、ファイルサーバが管理できないのは「ファイルサーバの特性であり、宿命」だという。

 「ファイルサーバは情報を蓄積するばかりで、廃棄する機能を持っていません。そのため不要なファイルを削除しない限り、必要な容量は無尽蔵に増えていきます。ファイルの中身を知らない情報システム部門が、業務部門の利用者に不要なファイルの削除を依頼しても、利用者は非協力的。その結果、不要なファイルがどんどん増え続けて、ファイルサーバが“ごみ箱状態”になっていくわけです」(米本氏)

 さらに、管理が行き届いていないファイルサーバには、セキュリティ面の弱点もある。

 「管理不足のファイルサーバはアクセス制御が弱くなりがちで、権限があれば誰でも削除やコピーができてしまいます。権限設定が不十分なまま個人情報を含む機密情報を共有した場合、不正アクセスによる情報漏えいの危険に晒されることになりかねません。これを防ぐにはアクセス権限を正しく設定すればよいのですが、何千何万もあるファイルやフォルダを管理するのは現実的に不可能です」(米本氏)

5年間で約40%の容量削減効果 “脱ごみ箱ファイルサーバ”を実現するNIAS

 そこで必要になるのが、情報システム部門や利用者に負荷をかけることなく、秩序あるファイルサーバの運用を実現する仕組みである。そのソリューションとしてSCSKが推しているのが「NIAS」(NEC Information Assessment System)だ。

 NIASはもともと、NECが自社で運用しているファイルサーバのコスト最適化情報漏えいリスクの低減を目的として開発されたソフトウェアだ。ファイルサーバの状態を可視化し、適正に管理するためのソリューションは幾つも存在するが、SCSKは専任のシステム管理担当者が不在の中小企業でも扱いやすい点処理速度が非常に高速な点を高く評価してNIASを採用しているという。

 既存のファイルサーバにNIASを導入すると、利用状況が自動でグラフィカルに可視化される。ここにはNECが独自開発したメモリデータベースによる高速分析技術が使われており、リアルタイムに条件を変えながら、瞬時に現在の状況や将来の増加予測を確認することが可能だ。

Photo NIASのダッシュボード。ファイルサーバの状態を可視化するとともに、整理対象のデータをレコメンドする

 また、ファイルの参照・更新状況や利用者ごとの使用量、重複の有無といった観点から各フォルダに散在する不要なファイルの容量と数を抽出し、そのリポートを業務部門の利用者へ提示することもできる。利用者はそのリポートを見ながら、不要なファイルを削除したり使用頻度の低いファイルをアーカイブしたりするのだ。

 「NIASの有無によるディスク容量推移をシミュレーションしたところ、NIASを導入すると5年間で約40%の容量削減効果が得られることが分かりました。また、NIASによって定期的にファイルサーバを整理すると、必要なファイルを探す時間が1日平均で30分短縮できます。1時間あたりの人件費を3000円、月間実働日を20日として試算すると、利用者が100人の企業では年間3600万円ものコスト削減効果が得られることになります」(米本氏)

 また、NIASには高度なアクセス権限管理機能も搭載されている。NIASは各フォルダのアクセス権限の設定状況を調べ、異常な状態で権限が付与されているフォルダを可視化。不適切な権限設定は、NIAS上からまとめて変更できるようになっている。従来のように各フォルダのプロパティを一つずつ開いて権限を確認・設定する必要がないので、管理の手間と時間を大幅に短縮でき、変更ミスも防止できる。

 「一般的なファイルサーバ運用で、アクセス権限の不整合や矛盾を見つけ出すことは容易ではありません。そのため退職や異動に伴う設定変更が頻繁に発生するのにもかかわらず、すぐに不整合や矛盾の発見、対処ができないという課題もあります。NIASでは、運用管理者がすぐに対応できない場合でも、多忙な運用管理者に変わって設定作業権限を現場部門やプロジェクト担当者に委譲することも可能です」(米本氏)

Photo ゴミ箱状態に陥りがちなファイルサーバの整理に役立つNIASの4つの機能

“真のユニファイドストレージ”HP 3PARで差別化を図る

Photo 日本ヒューレット・パッカード ストレージ技術本部の佐々木宏幸氏

 効率的なファイルサーバ運用に役立つNIASだが、既存のファイルサーバでは、ファイルを作成してから廃棄するまでのライフサイクル全体でデータを管理する、いわゆるデータライフサイクルマネジメント(DLM)は難しい。

 とりわけ、メーカーのサポート終了を迎えた今も現役で使われているWindows Server 2003のファイルサーバ、あるいはセキュリティパッチの提供が止まった古いLinuxベースのNASを利用していては、いくらNIASを導入しても健全化することはできない。

 そこでSCSKがNIASとともに、新たなファイルサーバ向けストレージとして提案するのが、ヒューレット・パッカードのユニファイドストレージ「HP 3PAR StoreServ」だ。

 3PARは、今でこそ当たり前となったストレージ容量を仮想化するシンプロビジョニング機能を最初に提供したストレージとして知られている。もともとは旧サン・マイクロシステムズのエンジニアが「サーバ視点で簡単に扱えるストレージを作る」ことを目的にスピンアウトして設立したストレージベンダーで、コントローラーに内蔵された独自開発のASICによる高速処理性能と可用性の高さ、サーバ管理者でも扱いやすい操作性に定評があった。2010年にヒューレット・パッカードが買収してからは、同社のストレージブランドの1つとしてさらなる発展を遂げてきた。

 「最新のHP 3PAR StoreServには、『File Persona』というソフトウェアが搭載されています。このソフトウェアは、従来のブロックアクセスに加えてファイルアクセスやオブジェクトアクセスを可能にするもので、データベースサーバのストレージとしてもファイルサーバとしても、どんな用途でも単一のストレージプールからボリュームを切り出して同じように扱えるという特長があります。当社ではこの機能を備えた3PAR StoreServを『真のユニファイドストレージ』と呼んでいます」(日本ヒューレット・パッカード ストレージ技術本部 佐々木宏幸氏)

Photo 真のユニファイドストレージへのアプローチ

 佐々木氏によると、3PAR StoreServには他のストレージと比較して多くの優位性があるという。中でも90万IOPSという高性能、重複排除機能によるコストメリット、QoS階層技術による運用自動化、最大容量6PBの拡張性、フルメッシュ(クラスタ)アーキテクチャによる高い可用性は、3PAR StoreServの差別化ポイントになる。

 さらにヒューレット・パッカードでは、バックアップストレージ「HP StoreOnce」との連携を強化する「HP StoreOnce Recovery Manager Central」(StoreOnce RMC)を用意するなど、バックアップも含めたソリューションを展開している。ちなみにRMCは、VMwareの仮想アプライアンスとして稼働するもので、バックアップソフトウェアを別途用意する必要がない。

 SCSKでは、自社のクラウドデータセンターに3PAR StoreServを大規模導入しており、大規模マルチテナント環境においてもSLAが保証できていることを確認している。この実績こそが、SCSKがDLMソリューションとして3PAR StoreServを採用した理由だ。

 「3PAR StoreServをファイルサーバとしてNIASで管理すれば、シンプロビジョニングやティアリング(ストレージ階層の仮想化)といったストレージの機能を複合的に利用しながら効率的、かつセキュアなファイルサーバ運用が可能になります。3PAR StoreServには300万円台というリーズナブルな価格からユニファイドストレージとしてのフル機能が利用可能というコストメリットもあります。SCSKでは豊富な販売、構築実績を持ったNIASと3PARの組み合わせによって他のSIベンダーと差別化を図っていきたいと考えています」(米本氏)

関連ホワイトペーパー

SDSで実現するファイルサーバマネジメント「3つのアプローチ」

wp

企業のファイルサーバに格納されたファイル容量の増加率は年間1.55倍、5年間で9倍の容量になるといわれ、IT担当者にとってファイルサーバ管理は頭の痛い課題だ。そこで、ソフトウェア制御でファイルサーバに関する諸問題を解決するSDSの活用について解説する。

>>>>>ダウンロードはこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社 SCSK株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2015年12月24日