「落ちたぁぁぁ!」は夢か現実か? PMP試験、結果はいかに女子ヘルプデスクのプロマネ修行奮戦記(1/3 ページ)

ついにこの日がやってきた。そう、今日はPMP試験の日。ちゃんと勉強してきたから大丈夫! と思いきや、あれ? そんなところに落とし穴!? わたし、もしかして大ピンチ? これって現実じゃないよね、夢だよね……。 

» 2015年12月04日 07時00分 公開
[鐙貴絵ITmedia]

これまでのあらすじは

 会社でヘルプデスクを担当する私が、ある日突然、在宅ヘルプデスク部門開設プロジェクトのマネジャーに任命されてしまったから、さぁ大変。鬱憤晴らしで飲みに出かけたら、今度は勢いでPMBOK(ピンボック)とやらを勉強するハメに……。しかもしかも! いつの間にかPMP(Project Management Professional)の資格試験を受けることになっている……。私は在宅ヘルプデスク業務のプロジェクトを成功に導けるのか? PMPの試験に合格できるのか? いや、そもそも、受験できるのか?


Photo イラスト:本橋ゆうこ

 落ちたぁぁぁぁぁ。

 ……はっ? これは、ゆ、ゆめ?

 そんな“試験に落ちる”夢を見てしまうのは、もしかしてプレッシャーというやつか?! いや、いつも能天気な私に限ってプレッシャーを感じるようなことはない! と、思うのだけれど……。

 でも、イマイチ自信がないからか、あまり楽観的になれない。

 PMPの試験は、情報処理試験とは違って「過去問題集」といったたぐいのものは販売されていない。研修を受けた会社で配布された問題集や、e-Learning教材と一緒に届いた練習問題、模擬試験などを繰り返し解くしか手だてがない。

 これらの学習教材は、研修を行っている会社ごとに特徴があって、問題の傾向がちょっとずつ違うような気がする。“本試験の内容を外部に漏らしてはならない”という制約がある以上、“こんな感じ”という状態で練習問題が作られるのも仕方がないんだろうな。ってことは、より多くの問題集を解いて応用力をつけなきゃいけないのかも……。よく分かんないけど。

PMP試験は“ここ”が手強い……

 これらの問題集にチャレンジして分かったのは、私は1問1問を解くのにとても時間がかかっているということ。問題をじっくり読んでしまって時間をとられ、解答を出すまでにまた、一定の時間がかかっている。

 例えば、「あなたは○○プロジェクトのプロジェクト・マネジャーに任命され、今、××という作業を行っている。これはどのようなプロセスを行っているのか?」――という問いに対して、「リスク特定」とか「ステークホルダー特定」などの選択肢が用意されている。選択肢の中から正しいと思われる解答を1つ選ぶのだが、それなりに全て怪しい……というか、どのプロセスもちゃんと知識エリアにあるプロセスの名前が出ているので、うろ覚えだと答えられない。

 こういう問題はまだ分かりやすいほうだ。中には、「プロジェクト・マネジャーを担当しているプロジェクトで、□□という問題が起こった。次に何をすればいいか?」――というような実務に即した問題まであるのだ。

わたし そんな……経験のない私にそれを聞く?!!

 と、ついつい問題集に話しかけている。挙げ句の果てに、

わたし そんなことが分かるならPMP試験なんて受けないわよ〜。

 と、本末転倒なことまで口をついて出てくる。切羽詰まったら何を言い出すか、分かったもんじゃない。違うだろわたし、とちょっと反省。でも次の瞬間、答えが分からない問題が出てくると、やっぱり問題に八つ当たりしてしまうのだ。

 試験の日が近づいたある日の昼休み。いつものようにコーヒーを飲みながらまったりしていると、Aさんがステップを踏みながらやってきた。あの人、はもっと無口だったよなぁ、「スイッチ」を押さない限りは……。なんだか最近は、いつも「スイッチON」のままって気がする。

Aさん 試験、今度の週末だったね。がんばって合格してきてね。

わたし Aさん、むちゃを言わないでくださいよ〜。

Aさん いやいや、受かると思えば受かるし、落ちると思えば落ちちゃうよ。

 内心、(そんなぁ、思っただけで受かるならいくらでも思っちゃいますよ!!)と思いながらも、ひとまず愛想笑いでごまかした私に、Aさんは真顔でこんな言葉を投げかけてきた。

Aさん もし落ちたら、再試験受けるだろ?

わたし え?

 考えていなかった。落ちた“あと”のこと。

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