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» 2015年12月07日 07時00分 UPDATE

即席!3分で分かるITトレンド:毎週3分、情シスドリル コレ1枚で分かる「ERP登場の歴史」

ERPは1990年代に登場し、企業の基幹系システムとして普及してきました。この背景には、IT技術の進化と業務管理の需要の変化がありました。今回は、その歴史をひも解きながら、ERPのポイントを解説します。

[斎藤昌義(ネットコマース株式会社),ITmedia]

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


業務システムを“全社最適”に再構築

 1960年代に入り、ビジネス用途で使えるコンピュータが、普及し始めます。当時、業務上のやり取りは、電話や紙の伝票の受け渡しなどで行われていましたが、それをコンピュータのプログラムに置き換えようという使い方です。当初は、個々の業務の現場で使われる紙の伝票などの流れに合わせてプログラムのフローを設計したことかsら、業務ごとに個別に最適化されたシステムが作られました。

 このようなシステムでも、電話や伝言、紙の伝票での業務処理に比べれば、作業の生産性が劇的に向上したことから、情報システムの開発需要はどんどん増えていきます。ただ、当時は、ユーザー企業の情報システム部門がそれぞれ独自に自社の業務に合わせてプログラムを内製するのが普通であったため、次第に需要に追いつけなくなってきました。

 この状況を打開するため、個々の業務に最適化された情報システムを最初から作るのではなく、既に完成して稼働しているプログラムをコピーして、新しい業務に合わせて変更が必要な部分だけを修正することで需要の増加に応える方法がとられるようになりました。それでも、業務の流れに対応しきれないときは、人的な運用で代替することでしのいでいました。

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 1980年代に入ると、小型のミニコンピュータ(ミニコン)やオフィスコンピュータ(オフコン)、パーソナルコンピュータ(パソコン)が登場します。当時、業務システムとして使われていた大型のメインフレームでのシステム開発では、業務の現場で要望が出てもすぐに開発してもらえるわけではなく、またコストが掛かるという問題がありました。このため、業務部門では、独自にこれらの小型のコンピュータを導入し、さらにパッケージソフトウェアを使って個別にシステムを構築するようになります。

 このような取り組みにより、情報システムの適用範囲は拡大していきましたが、部分最適なシステムが増えたために、業務間の連係がうまく行えなかったり、データの不整合や二重入力といった弊害が増えたりと、いろいろな問題を抱えるようになったのです。

 そんな中で、業務の重複や無駄を廃し、業務の効率化を図りたいという需要が高まっていきます。また、エンロン事件やワールドコム事件のような、大規模な不正が大きな社会問題となったことなどもあり、内部統制への関心も高まります。そのため、一貫性や完全性が保証されたデータで経営や業務状況を把握したいという需要も増えてきました。

コレ1枚で分かる「ERP登場の歴史」

 そこで、これまで業務ごとに個別に最適化され開発されてきたシステムを全社最適の視点で再構築しようという気運が高まります。そして、全社に最適となるような観点で業務プロセスを再構築し、業務ごとに個別に構築されていたマスターデータを全社で統合したデータベースに集約するとともに、その統合化されたデータベースを中核に業務システムを構築する「ERP(Enterprise Resource Planning:統合業務パッケージ)システム」が、注目されるようになったのです。

著者プロフィル:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤリティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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