Windows as a Serviceが創造するビジネスの新常識

Windows 10から始まった“Windows as a Service”(WaaS)の世界で企業は常に提供される新しいテクノロジーを駆使してビジネスの可能性を存分に引き出しているかもしれない。Windows 10とWaaSが広がる世界で企業の未来の日常はどのように変わっていくのだろうか。

» 2015年12月09日 10時00分 公開
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 Microsoftは、次世代OSのWindows 10から「Windows as a Service(WaaS)」という新しい世界を打ち出す。WaaSとは、近年急速な普及をみせるSaaSやIaaS、PaaSといったインターネットサービスの概念をWindowsそのものに取り入れ、ユーザーの可能性を引き出すさまざまな新しい機能やテクノロジーと、絶えず変化し続けるセキュリティ脅威への保護を提供していくというものだ。

 これから広がっていくWaaSは、企業のビジネスシーンのどのような変化をもたらすのだろうか。WaaSを支える新たなサービスを交えながら、その未来を占ってみたい。

「変化」という新しい常識

 企業にとってWindowsは、ビジネスを支えるプラットフォームそのものといっても過言ではないだろう。MicrosoftがWaaSの世界へ大きく舵を切ったのは、ITのコンシューマ化、セキュリティ脅威の変化、テクノロジーの進化というITを取り巻く環境の大きな変化が背景にある。変化する環境においてはWindowsというプラットフォームもまたその変化に応じた変化を続けていく必要があるわけだ。

WaaS 日本マイクロソフト Windows本部 Windowsコマーシャルグループ エグゼクティブ プロダクト マネージャー 浅田恭子氏

 日本マイクロソフト Windows本部 Windowsコマーシャルグループ エグゼクティブ プロダクト マネージャーの浅田恭子氏は、WaaSの世界を体現するWindows 10について、「日本企業が世界のライバル企業と戦うためのOSになるでしょう」と言い切る。

 浅田氏によると、海外の成長著しい企業に共通してみられるのは、新しいテクノロジーや急速に広がるブロードバンドインフラを自社のビジネスへ積極的に取り入れている点だ。

 一方で日本企業に目を向けると、サポートの終了に伴うWindows XPからの移行において多くの作業がサポート期限の末期に集中したように、2001年に登場したWindows XPが10年以上もの長い間にわたって企業のプラットフォームであり続けた。10年以上も稼働したWindows XPは多くの企業に「安定」という価値を提供してきたといえるが、競争力という観点では「変化」を選択した海外企業の方に軍配が上がる。

 Windows XPの例に限らず、日本企業にとってプラットフォームにおける常識とは、「安定」だったのかもしれない。しかし、将来にわたるビジネスの成長を目指すのなら、古いままの常識を「変化」という新しい意識に変えていく必要がある。その新しい時代のプラットフォームがWindows 10であり、WaaSという世界だ。

WaaS時代のサービスで変化に対応する

 WaaSにおいてWindowsは、従来の3年に1度というメジャーアップグレードのリリースサイクルが“常時”へと大きく変わる。企業もかつてのWindowsのリリースサイクルに合わせて対応してきたが、これからは常に対応していくように変わる。

 企業がWaaSの世界に対応していくためにMicrosoftは、Windows UpdateやWindows Update Server Service(WSUS)といった従来の仕組みに加え、マルチデバイス管理のための「Microsoft Intune」や、「Windows Update for Business」というグループポリシーによる高度な Windows Update の設定が可能な新たな仕組みも提供している。

WaaS Windows Updateが進化する

 特に新たなサービスとして提供されるWindows Update for Businessは、Windows 10における新機能のためのアップグレードの導入やセキュリティを中心としたアップデートにおけるIT管理者の負担を大いに減らし、本来の役割である「攻めのIT」へ専念できるようになるために生まれた。

 Windows 10では年間に数回行われる新機能のアップグレードの導入や展開を、ユーザーの特徴や使われるデバイスの種類などに応じた「Insider Preview」「CB: Current Branch(最新化モデル)」「CBB: Current Branch for Business(企業向け最新化モデル)」「LTSB: Long Term Servicing Branch(固定化モデル)」の4種類のグループに分けて行っていく新しいモデルが採用されている。

 Windows Update for BusinessではIT管理者がグループポリシーによって、Windows Update からのアップデート配信をより高度に制御できる仕組みが提供される。企業ネットワークの帯域状況に合わせ、ローカルネットワーク上ではピア・ツー・ピアによる最適な方法で配信したり、更新する時間帯や更新しない時間帯を指定したりできるほか、CBB(企業向け最新化モデル)をさらに細分化した「Ring」と呼ばれるグループ単位で更新タイミングを設定できる。WaaSの世界にあっても様々なユーザーのクライアントデバイスを企業ポリシーに合わせきめ細やかに管理していける。

WaaS 変化に対応していくスピードをユーザーのニーズに応じて変えることができる

 「安定」が常識だった以前なら、IT管理者は長い時間と多くの労力を費やして新機能のアップグレードを検証しなければならなかった。一方でテクノロジーがビジネスの競争力に直結することを理解している業務部門は、新機能をいち早く使いたいと考える。Windows Update for Businessや Windows 10 の新しい展開手法を活用し、ユーザーニーズに応じたアップグレード体制を構築すれば、こうしたIT管理者と業務部門との間に生じていた“ギャップ”は解消されていく。

 また、“One Windows”をコンセプトに掲げるWindows 10ではPCやスマートフォン、タブレットから将来に登場する新しいデバイスまで1つのOSで動作する。企業では場所や時間を問わないワークスタイルを実現したり、先進的なデバイスを生産性の向上へ生かしたりしていくために、マルチデバイス化がますます進んでいくだろう。

 ユーザーが使うさまざまなデバイスが常に最新の状態であれば、新しくリリースされた機能をビジネスでいち早く活用できるし、最新のセキュリティ脅威にも備えることができる。こうした変化においてWindows 10やWindows Update for Businessといったマルチデバイス時代の仕組みは、これまでマルチデバイスの運用管理のために割かれてきたコストやIT管理者のリソースを「守り」から「攻め」に変えてくれるはずだ。

マルチデバイス時代のアプリ基盤

 ビジネスを成長させる「攻め」のITにおいて、業務に直結するアプリケーションの「変化」もまた重要なテーマになる。既にソフトウェアがIaaSへと大きく変化しているように、WaaSにおいてMicrosoftはWebブラウザとアプリケーションプラットフォームの2つの観点から、変化に対応していくユーザーをサポートする。

WaaS アプリケーションにおける変化への対応はステップアップで進めていける

 企業内には、これまで開発されてきた多数の業務アプリケーションが資産として既に存在している。マルチデバイスを活用したワークスタイル変革などの取り組みにおいて企業では、既存の業務アプリケーションや新規のアプリケーションをWebブラウザでも利用できるようWeb化(Webアプリ化)が進められてきた。事実上の標準ブラウザとされてきたのが、Internet Explorer(IE)だ。

 日進月歩の進化が著しいWebの世界では最新のHTML5への対応が広がりつつあり、Windows 10にはHTML5準拠の新たなWebブラウザ「Microsoft Edge」が搭載された。企業ではMicrosoft EdgeなどのHTML5に準拠したWebブラウザを標準にWebアプリ化を進めていくことになる。つまり、IEはレガシーブラウザという位置付けに変化した。

 ただし、Windows 10にはIE 11も用意されている。これは、企業が既存のWebアプリ資産を活用しつつ、将来的にHTML5ベースのWebアプリ環境へスムーズに移行していくための後方互換性を提供するためだ。なお、各OSの最新バージョンではないIEのサポートは2016年1月12日に終了するため、Windows 7のIE 8やIE 9など、旧バージョンのIEからIE 11あるいはMicrosoft Edgeなど、最新のWeb環境に即したアプリケーションへの移行が待ったなしの状況だ。

 そして、アプリケーションプラットフォームでは新たなフレームワークとなる「Universal Windows Platform(UWP)」や、アプリケーション管理・配信サービスの「ビジネス向け Windows ストア」が登場した。

 UWPは、OSであらゆるデバイスが動作する“One Windows”を具現化するもので、UWPで開発されたアプリケーションはWindows 10が動作するあらゆるデバイス上でそのまま実行させることができるようになる。従来のように、デバイスに合わせてアプリケーションを用意する形ではコストが膨らんでしまうし、メンテナンスの手間も大きい。一方でアプリケーションの実行環境を決め打ちすればコストを抑制できるものの、ユーザーが利用可能なデバイスの選択肢は狭まってしまう。UWPはこうした現在のアプリケーション開発が直面しているさまざまな課題の解決にもつながるだろう。

WaaS 1つのアプリケーションをあらゆる環境で実行できるのはWaaS時代の変化の1つだ

 ビジネス向け Windows ストアは、モバイルデバイスでは身近なアプリストアを企業が運用できる仕組みだ。主要なアプリストアは個人を含むあらゆるユーザーを対象にしているため、企業が自社のユーザーだけを対象に管理するといったことが難しい。ビジネス向け Windows ストアではMicrosoftが提供するWindows Storeをベースに、企業が自社のユーザー向けにアプリを配布したり、管理したりできる。

 自社開発のアプリだけでなく、Windows ストアで提供されている企業が許可したビジネスアプリも自社のユーザーに提供していける。ユーザーあるいはデバイスごとに企業ポリシーに基づいてリモートからアプリの展開や更新、削除といった管理が行えるため、マルチデバイスを活用したワークスタイル変革において、アプリケーションの観点からもその取り組みをスムーズに広げていけるはずだ。


 先に触れたWindows XPの移行先として多くの企業が採用したのは、2009年のリリースから安定性を評価されてきたWindows 7だった。そのWindows 7は2020年1月14日にサポートが終了する。「安定」というこれまでの常識にこだわり過ぎてしまうと、新しいテクノロジーをビジネスに取り入れていくプラットフォームへの変化は難しくなってしまう。

 企業にとってWindows 10やWaaSのような大きな変化への対応は、一朝一夕には難しいかもしれない。だがMicrosoftは企業ユーザーが新しい変化へ対応していくためのさまざまな仕組みを提供しており、その仕組みもIT環境の変化に合わせて進化を続けている。

 Windows 10やWaaSがもたらす「変化」を拒む理由は見当たらない。それなら浅田氏が語っているように、新しいテクノロジーがもたらす変化をビジネスへ積極的に取り込んでいくことが、ビジネスの成長を実現させる近道になるはずだ。

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