「IoT」で変わる、ITインフラの“理想形”と“現実解”

今、IBMが注目するIoTスタートアップ企業とは?VRライブプラットフォームも登場(3/4 ページ)

» 2016年04月08日 08時00分 公開
[池田憲弘ITmedia]

引きこもり願望が生み出した、VRライブプラットフォーム――「Cluster」

photo Fictbox CEOの加藤直人氏。ハッカソンやライブ、そしてコミケなどのイベントに参加したいが、引きこもりたいという熱い(?)ハートを持っている

 「イベントに行きたい、でも玄関から出るのはめんどくさい!」

 そんな“引きこもり願望”が生んだVRライブプラットフォーム、それがFictboxが展開する「Cluster」だ。オンライン上の仮想空間でイベントを行うプラットフォームで、過去に一世を風靡した「セカンドライフ」をほうふつとさせる。PCやスマートフォンのほか、Oculus Riftなどのヘッドマウントディスプレイにも対応しており、同時に1000人接続しても挙動が重くならないのが特徴だ。

 仮想空間のイベント会場では、前方の巨大画面で動画やスライドを共有。発表者からオーディエンス全員に対して音声の発信ができる。各参加者は顔アイコン付きのアバターで表示され、参加者同士で吹き出し付きのテキストチャットや共有タイムラインでコミュニケーションが行える。

photo 仮想空間のイベント会場。前方の巨大画面で動画やスライドを共有できる
photo 参加者同士で吹き出し付きのテキストチャットや共有タイムラインでコミュニケーションできる

 2016年2月上旬に、200人規模のライトニングトーク大会を行ったところ盛況で、ゲーム会社や映像制作会社、芸能プロダクションからの問い合わせが増えているという。3月21日に開催した第2回のライトニングトーク大会では500人以上が集まり、Oculus Rift創業者のPalmer Luckey氏も参加。4月4、5日に開催されたUnityのカンファレンスイベント「Unite 2016 Tokyo」でも、基調講演をCruster上で中継して360人が集まるなど、着々と実績を増やしている。

200人規模のライトニングトーク大会を行った様子(参加者による録画)

 現在は主催者や参加者、スポンサードイベントやアバター課金などで収益を得る予定だが、今後は決済機能やイベント会場のカスタマイズ機能、ブースでの物販機能などを実装していきたいという。Fictbox CEOの加藤直人氏は「人が集まるというのは、それだけでビジネスやマネタイズの源泉になる。キャッシュポイントはいろいろ出てくるはず」と自信を見せる。

 「イベントを開催するにあたっては、会場選びや場所の確保、会場までの移動など、主催者も参加者もいろいろな“コスト”がある。Clusterはさまざまなコストをゼロにする力を持ち、引きこもりを加速させるツールだと言えるでしょう」(加藤氏)

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