営業でもエンジニアでもない“ど真ん中”の存在であること――安達久俊さん「ITアーキテクト」という仕事(2/3 ページ)

» 2016年04月27日 08時00分 公開
[池田憲弘ITmedia]

営業とエンジニア、両者の視点を持つこと

 20年以上IBMで働く中で、ITを取り巻く環境の変化を肌で感じてきた安達さん。ITアーキテクトという技術寄りの分野で、営業的な動きもできる“オールラウンダー”としての地位を築いたが、次第に営業とエンジニア、両者の視点を持つことの重要さを意識するようになった。

 「今はいろんな技術がコモディティ化したことで、クライアントのビジネスの幅が広がり、スピード感も上がっています。インターネットで情報も収集できるし、相対的にクライアントの立場が強くなると思います。彼らのニーズを捉えることが今まで以上に重要になります。

 例えば、この業界では『システムの何がすごいのか』という質問に対して、機能を主張する人が多いような気がしますが、本当に大切なのは『何の役に立つのか』という視点です。これはエンジニアと営業、どちらの視点に寄りすぎていてもよい答えは出ません。その間に立つことができる人間が必要です」(安達さん)

 大きな会社だと縦割りになりがちだが、技術に明るい営業、客先でのコミュニケーションが得意な開発者など、そういう素養を持った人間はいるはずだと安達さんは言う。両者の板挟みになるケースも考えられるが、「どちらのスキルもしっかり持っていれば、絶対に板挟みにならない」と自信を見せる。

趣味は「船釣り」、休みのたびに海に出る

photo 休日は釣りを楽しむことが多いという安達さん。50キロ近い魚を釣ったこともあるとか

 そんな安達さんの趣味は「釣り」。週末は仲間とともに近海に出掛けることが多いという。千葉から伊豆諸島、駿河湾などその活動範囲は広い。前日の夜に現地入りし、船の中で寝ながらポイントまで移動、朝から夕方まで釣りを楽しむのだそうだ。

 「10年くらい前に東京近辺で船釣りができると知ってから、週末は海に出るようになりました。周りの人間よりも釣りたいと思うのですが、相手が自然なので調子が良いときも悪いときもある。ギャンブルみたいなものですね。最近はシマアジを釣りに行ってます。今の時期おいしいんですよ」(安達さん)

 瀬戸内生まれで母親が魚屋勤務だったという安達さん。釣った魚をさばいて、月曜日に職場でふるまうことも多々あるという(もちろん同僚からは好評)。釣りに行くときは知らない人と乗り合い船に乗ることもあるが、仲間内で行くときは、自営業や中小企業の社長が多いと安達さんは話す。

 「釣りにも得手不得手はあると思いますが、彼らは気配りとか観察眼が人並み外れて優れているんです。人のしぐさや海の様子などの変化を見逃さない。自分はまだまだだと思い知らされますね」(安達さん)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ