Q4:マイナンバーは誰から集めなければいけないのでしょう
マイナンバーは上述の通り、税や社会保険の手続きを本人に代わり、勤務先が行うために必要です。そのため、企業は雇用している従業員やその家族などからマイナンバーを集める必要があります。
また、正社員だけでなく、単発のアルバイトスタッフ、セミナーを依頼した場合の講師など、会社として報酬を支払う人(支払調書を作成する相手)からもマイナンバーを受け取る必要があります。単発のアルバイトスタッフなどは特に、人数が多いと収集が困難になる場合があるので、マイナンバーの持ち主本人がスマホで入力することで提出できるようにするなど、回収しやすい仕組みづくりが必要です。
Q5:マイナンバーの提示を従業員などが拒んでいます。どうすればいいですか
まずは、マイナンバーの必要性を従業員が十分に理解できるよう、研修、案内資料などを使って周知徹底させましょう。年末調整など、社会保障や税金に関する手続きでマイナンバーの使用が義務付けられており、会社として把握する必要がある旨を伝えてください。
十分な説明を行っても提供を受けられない場合は、各書類の提出先の指示に従いましょう。マイナンバーの使用が義務付けられているにも関わらず、従業員などから番号を収集できない場合には、会社として義務を怠っているわけではないことを証拠として残しておく必要があります。
提供を求めた経過等を記録しておくようにするのがオススメです。マイナンバーシステムにはこのための備考欄が設けられているケースもありますので、活用し、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
Q6:マイナンバーの取り扱い担当者になりました。何に注意すれば良いでしょう
企業が従業員などのマイナンバーを取り扱う際に最も気を付けなければならないのは、漏えいリスクを最小限にすることです。
マイナンバーを管理するシステムを選択し、データとしてどこでマイナンバーを管理するのかを明確にしましょう。事業所内のサーバやPCでマイナンバーを管理する場合は、サーバやPCを管理する区域への人の出入りを制限したり、盗難防止のためにサーバやPCをセキュリティワイヤーで固定するなどの対策が必要です。
マイナンバーをクラウドの管理サービスで管理する場合は、サービスを提供する事業者からマイナンバーが管理されるデータセンターのセキュリティ対策などを確認しておけば良いでしょう。
次に、マイナンバーを取り扱う作業スペースを決めましょう。その上で、作業スペースをパーティションを区切る、PCからマイナンバーが記載されたデータにアクセスするにはID・パスワードで担当者以外アクセスできないようにするなど、適切な管理体制を設けるようにしましょう。
また、収集をこれから行う場合には、従業員などに対して適切な案内や、マイナンバーを提出しやすい仕組みづくりも大切です。
(後編に続く)
アカウンティング・サース・ジャパン株式会社 取締役。1982年日本デジタル研究所(JDL)入社。日本の会計事務所のコンピュータ化を30年以上に渡りソフトウェア企画面から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システムを企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。2015年4月に発足したクラウドマイナンバー事業における「マイナンバーエバンジェリスト」として、中小企業の財務を担う税理士の視点から、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。
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