Samsung Electronicsは、2月に発表したコンシューマー向け360度動画撮影カメラ「Gear 360」をまずは韓国で発売した。価格は約3万7000円。同社の研究開発部門責任者は、スマートフォンをセットしたりPCに繋がずに単独で利用できるVR HMDを開発中と語った。
韓国Samsung Electronicsは4月27日(現地時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催の年次開発者会議「Samsung Developer Conference 2016」の初日の基調講演で、仮想現実(VR)に関する取り組みを発表した。
同社の研究開発部門責任者であるインジョン・リー氏は、「Gear VRを販売するSamsungはVR業界の旗手だ。VRは素晴らしいが、業界はまだごく初期段階にある」と語った。
リー氏は、同社では現在、(Gear VRのように)スマートフォンをセットせずに使える無線のVR HMDを開発していると語った。モーションキャプチャーでユーザーの動きを取り込み、Rinkのようなコントローラで操作し、「スター・トレックのホロデッキのようなシステムを目指している」という。
具体的なロードマップは示さなかったが、「数年後には実現する」とリー氏は語った。
同氏はまた、現在はプロフェッショナルによるコンテンツが提供され始めたところだが、SamsungはVRコンテンツを誰もが自分で作れるようにするために一般向けのVRカメラ「Gear 360」を開発したと説明した。このカメラは2月のMWC 2016で発表されたものだ(紹介記事)。
同社は29日、韓国の公式サイトでGear 360を発売した。価格は40万ウォン(約3万7000円)だ。
同社はまた、Gear 360で撮影した動画を同社の360度動画配信サービス「Milk VR」にアップロードするための「VR UploadSDK」もオープンソースで公開した。
リー氏のVRについてのトークは以下の基調講演動画の1時間5分ごろからだ。
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