「スマホを落とした!」その日に備えてやっておくべきこと半径300メートルのIT(2/2 ページ)

» 2016年05月10日 08時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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「二要素認証」を無効にする……その前に

 もう一つ気がついたのは、セキュリティに敏感な人ほどスマホ紛失時の作業が多くなることです。GoogleやFacebook、Twitterの「二要素認証」において、スマホは重要な鍵となり得ます。あなたが何らかの「キーマン」で、個人を対象とした標的型攻撃よろしく、特定の人がターゲットであれば即座に二要素認証を新端末に切り替えるなどの処理が必要でしょうが、これに関してはそもそもスマホ内のアプリにアクセスできなければいい話なので、次の2つの設定さえできていればいいと思います。

  • スマートフォンのロックは確実に

 まず1つ目は、スマートフォンのロック機能がきちんと設定されていることです。iPhoneであれば、指紋認証を使った「TouchID」が一番楽でしょう。Androidの場合は決め手がないので何ともいえませんが、指紋認証機能があるのであればそれを、そうでない場合はパスコードを設定しておくべきでしょう。

Photo Androidは「パターン認証」が便利ではあるのですが、皮脂べったりだとある程度推測できてしまうので注意!
  • メッセージのプレビューをオフにする

 スマートフォンがロックされていても、二要素認証のパスコードがSMSで送られたときに、その数字が見えてしまうようでは意味がありません。そこで、メッセージで送られてくる内容はロック画面に表示しないようにしておきましょう。

 iOSでは設定→通知→メッセージで「プレビューを表示」をオフにすることで設定ができます。この設定にしておくと、ロック画面にはSMSの内容が表示されず、「SMS/MMS」としか出てきません。

Photo メッセージオプションの「プレビューを通知」をオフにしておくと、ロック画面には最低限の内容だけが表示されます
Photo 上記の設定を行ったあと、二要素認証のSMSが届くと上記のような表示になります。これなら、第三者にメッセージを読まれることはないでしょう

 Androidの場合も、設定→音と通知→「機器がロックされているとき」を変更することで、同様の設定が可能です。また、LINEなどはアプリ内の設定で変更できるので、一度見直してみてはいかがでしょうか。

Photo Androidは端末、OSのバージョンにより異なりますが、通知の表示について上記のような設定があるはずです

特に「新社会人」は気を付けて!

 スマートフォンは情報のかたまりです。個人利用においては写真も個人情報ですし、もちろん連絡先も重要なもの。万が一、TwitterやFacebookのアプリにアクセスできてしまうと交友関係も全て分かってしまいますし、勝手に投稿などされてしまったら最悪の場合、社会的な立場すら危うくなるでしょう。

 そんなスマートフォンを落とす可能性は誰にでもあるので、万が一に備えて、できる限りのことをしておくべきです。

 新社会人となった方々は、特に気を付けないといけないでしょう。そろそろ配属先が決まり、人によっては、会社と自分のスマートフォンを2台持ちせざるを得ない場合もあるでしょう。会社のスマートフォンは、個人のものよりも注意深く持ち歩くようにしましょう。

 そして会社から配布されたスマホをなくしてしまったときのために、会社のIT管理者の緊急連絡先を財布にしのばせておくこともお忘れなく。怒られるのは間違いありませんが、報告が遅くなることが企業にとって一番のリスクですから、なくしたらすぐ連絡することが肝心です。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


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