配属されたばかりの新卒に伝えたい、新社会人の心得7箇条トラパパ@TORAPAPA(3/3 ページ)

» 2016年05月13日 07時00分 公開
[北添裕己ITmedia]
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5. 「他力本願」が一番の近道

 新人のあなたが一番やるべきでないこと。それは、自身のオリジナリティを過信することです。

 むしろ、新人のうちは、オリジナリティは全て捨て去ってもいいかもしれません。まさに「他力本願」。

 私は、26年働いた今でも「自身のオリジナルのチープさ」に痛感する毎日です。「自身の力作」より「過去の他人の秀作」です。絶対100倍の生産性でウケます(苦笑)。

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 つまりは、秀作を多数持つ他人とできるだけたくさん知り合うことです。あるいはそういう他人を紹介してくれる人をたくさんつくる。それが、あなたのスキルアップ・昇進を加速させます。

 若い人たちがやりがちなことの一つに、「先輩・上司のやり方は効率が悪いから、私が編み出した新しいやり方で、もっとすごい仕事の成果を出します!」的なことをアピールして、半ば強制的に実行すること。しかし……99%、それは失敗に終わります。その仕事の前後左右にある“関連する仕事”とのつながりを考慮せずに、その仕事単体でのパフォーマンス向上を狙おうとするからです。全く愚かで無意味な改革(しかも失敗談)に終わります。

 新入社員のあなたは、少なくとも2年間くらいは、「他力本願」で人の遺作(?)を最大限活用して省力的に仕事をこなしてください。そうやって過ごしつつ、自分のオリジナリティをさく裂させるタイミングを伺ってください(笑)。そのくらいのスパンで考えるのが、私はよいと思います。

6. 「3年後」「1年後」「半年後」「来月」「来週」「明日」の自分を目標化

 仕事というのは、何でも目標を立てないといけないのですが、急に社会人として「それをやれ」といわれても……という話は理解できます。

 例えば、私は今どう時間軸を刻んでいるかと言うと、「10年後」「5年後」「3年後」「1年後」「半年後」「来月」「来週」「明日」「今日の1時間刻み」「30分刻み」「15分刻み」とやっています。新人の人も、「3年後」「1年後」「半年後」「来月」「来週」「明日」の自分の目標は立てられるようになった方がいいと思います。

 思い通りにならなくてもいいんです。26年たっても随時変更だらけですから(笑)。

 習慣が大事なので、この刻みの意味を自身なりに考えていただき、それぞれの計画を立てて運用してほしいと思います。

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 少なくとも私の業界の仕事では、「入念な計画が立てられていない仕事は絶対成功しない」とまで言われています。

 計画はまず自身でやってみて、立て方も修正のし方も、自分なりに工夫して、先輩・上司にアドバイスももらいながら、レベルアップしていくものです。まずは習慣ということで、始めてみてもらいたいなと思います。

7. 来年はあなたも誰かの「先輩」

 そして、あっという間に、あなたは来年度の新入社員の「先輩」になります。これがまた本当にあっという間なので、きっと困惑する方も多いはず。

 持論ですが、人生は約1000人月(約80年×12カ月)です。企業人としての営業日は、約9000日(240営業日×勤続38年)です。

 まだ実感はないかもしれませんが、マクロ的にいうとそのくらい私たちに与えられたビジネス人生は貴重なのです。申し訳ないけども、そこに対して若い人の意識は薄いのです。若い人が悪いのではなく、どちらかというと私たち先輩側がそこをのほほんと危機意識が薄くやり過ごしている姿を見せる例が多すぎるのが問題と思っています。

 新入社員といわれなくなった瞬間に、あなたは既に「先輩」の一人になっていますので、今、新入社員と呼ばれる自身の人生を堪能してほしいな、と願うばかりです。


 以上7カ条、少しでも今後の皆さんの仕事のご参考になれば幸いです。

著者プロフィル:北添裕己

キタゾエアンドカンパニー 代表取締役社長。

アクセンチュア、ヘッドストロングを経て現在、キタゾエアンドカンパニーで金融機関はじめ経営・ITコンサルに従事、特にプロマネ領域にカリスマ的手腕を発揮。トラブル案件の火消しでは時に名指しで指名される存在。詳しいプロフィルはこちら


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