初実施の情報セキュリティマネジメント試験、受験者と合格者の傾向は?

IPAが4月に初めて実施した「情報セキュリティマネジメント試験」では合格者の平均年齢が「基本情報技術者試験」よりも10歳以上高かった。

» 2016年05月16日 15時59分 公開
[ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)は5月16日、4月17日に実施した「平成28年度春期情報処理技術者試験」について、初めて実施した「情報セキュリティマネジメント試験」の合格者を発表した。

 情報セキュリティマネジメント試験は、経済産業省が創設したもので、サイバー攻撃や内部不正行為などの脅威から企業や組織を守るために必要な基本スキルを認定するもの。個人情報など機密性の高い情報を取り扱う担当者や外部委託の担当者、情報システム担当者などを主な対象にしている。

 同試験の応募者数は2万1691人、受験者数は1万7959名で、合格者数は1万5800人。合格率は88.0%だった。なお、4月14日に発生した熊本地震の影響で九州地方試験地での試験は中止となっており、受験できなかった受験者の人数は含まれていない。

社会人と学生別の受験および合格状況(出典:IPA)

 同試験の受験者数の9割以上を社会人が占め、平均年齢は39.8歳、合格者の平均年齢は40.1歳だった。合格者の最年少は14歳、最年長は72歳。同時に発表した「基本情報技術者試験」の受験者の平均年齢は25.8歳、合格者は25.3歳で、情報セキュリティマネジメント試験の平均年齢はいずれも基本情報技術者試験より10歳以上高かった。合格率も基本情報技術者試験の30.4%に比べて3倍近く高い。この結果についてIPAは、「社会人としての経験が豊富な層の受験者が多かったことから合格率が高い水準になったと考えられる」とコメントしている。

情報セキュリティマネジメント試験の社会人応募者と合格者(業種別、IPA資料をもとに作成)
情報セキュリティマネジメント試験の社会人応募者と合格者(職種別、IPA資料をもとに作成)

 情報セキュリティマネジメント試験の社会人受験者と合格者の傾向をみると、業種別、職種別ともにIT関連(無職や無記入を除く)の割合が高い。業種別では製造や官公庁、サービス、金融・保険・不動産関連の割合がIT系以外に比べて高かった。職種別ではITサービスやセキュリティの運用などが高いが、エンベデッド(組み込み)やデータベースは非IT系職種と比較しても低い状況だった。

 同時に開催された「応用情報技術者試験」「プロジェクトマネージャ試験」「データベーススペシャリスト試験」「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」「情報セキュリティスペシャリスト試験」「システム監査技術者試験」の合格者は6月17日に発表される。

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