無償アップグレード終了が迫るWindows 10、ギリギリでは危ない理由Enterprise IT Kaleidoscope(2/3 ページ)

» 2016年05月18日 07時30分 公開
[山本雅史ITmedia]

 Windows 10のアップグレードが五月雨式に行われたことで、7月29日に一斉終了しないのではと思われていたが、関係者によれば、世界中で7月29日に無償アップグレードが終了する。7月30日には、無償アップグレード向けのアクティベーションサーバ自体が停止するようだ。もしかすると、内部的には1日ぐらいの延長はあるかもしれないが、予定通り7月29日には無償アップグレードが終了する。実際、7月29日以降は、ユーザーに無償アップグレードを勧める「Windows10を入手する」というアプリケーションは削除され、動作しないようになる。

 無償アップグレードの終了後は、現在有償販売されているWindows 10を購入する必要がある。有償版のWindows 10には、以前のようなアップグレード版が用意されていないため、ユーザーは新たにWindows 10を買い直すことになる。このような状況を考えると、Windows7/8.1ユーザーは無償アップグレードが提供されている間にWindows 10へ移行するか、今のPCをそのまま使い続けて適当な時期にPCごと買い換えるしかない。ちなみにWindows 7の延長サポートは2020年1月14日に終了する。Windows 8.1はメインストリームサポートが2018年1月9日、延長サポートが2023年1月10日までとなっている。

 1年以内にPCを買い換える予定が無いなら、無償期間中にWindows 10へアップグレードし方がお得と言える。

米国本社も正式に無償アップグレードが7月29日に終了すると発表。その後アップグレードするには、Windows 10のパッケージ版を購入しないといけない(格安のアップグレード版は用意されていない)

 ここまで述べたように、アップグレードは7月29日のぎりぎりになって行うのではなく、早めに試した方がいいだろう。アップグレードが順調できるかどうかや、アップグレード後にトラブルが起こってOSが元に戻らないかなど、早めに確認し、トラブルを回避できるように備えたい。

 筆者が複数のPCをWindows 10にアップグレードしてみた経験から言えば、多くのPCではトラブル無くアップデートできた。一部の環境ではアップグレード後にトラブルが起こり、古いOSにロールバックしたこともあった。

 アップグレード時のトラブルには様々な原因があるため、一概には言えない。ただ、アップグレードする前にWindows Updateを行って元のOS(Windows 7/8.1)を最新の状態にしておく方がトラブル無くアップグレードできる。

 アップグレード時にトラブルになりやすいのは、古い周辺機器用のドライバだ。まず外付けの周辺機器は、取り外してからアップグレードする。PCのドライバも最新にしておく。多くの場合、Windows Updateで自動的に最新のドライバへアップデートされるが、ハードウェアによってはアップデートされないことがあるため、ユーザー自身が最新ドライバを探して、アップグレード前に更新しておくべきだろう。

 アップグレードするPCはできるだけシンプルな状況にして、アップグレードしやすい環境を作ることがトラブルを回避する近道だ。

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