総務省における人工知能研究に関する取組と「人工知能戦略会議」の設置について『ビジネス2.0』の視点

総務省が4月26日に公表した、「総務省における人工知能に関する取組と『人工知能戦略会議』の設置」について、要点をまとめて紹介します。

» 2016年05月20日 07時00分 公開
[林雅之ITmedia]

この記事は林雅之氏のブログ「『ビジネス2.0』の視点」より転載、編集しています。


 総務省は2016年4月26日、「情報通信審議会 情報通信技術分科会(第117回)」を開催し、「総務省における人工知能に関する取組と人工知能戦略会議の設置」について掲載しています。

 総務省関連機関の人工知能関係の研究拠点は、

の3つが拠点となっています。

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 総務省における人工知能関連研究では、「ソーシャルなビッグデータから知能を理解する/作るアプローチ」と「脳機能から知能を理解する/作るアプローチ」の2つのアプローチをとっています。2つのアプローチは相補的であり、将来的には統合して、真に社会に役立つ人工知能、ロボットを目指し、活力のある知識情報社会を創造していくとしています。

 政府は、平成28年4月12日に開催された第5回「未来投資に向けた官民対話」で、安倍総理から次の発言がありました。

「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップを、本年度中に策定します。そのため、産学官の叡智を集め、縦割りを排した『人工知能技術戦略会議』を創設します」

 これを受け、総務省は「人口知能技術戦略会議」を創設しています。

 「人口知能技術戦略会議」では、今年度から、本会議が司令塔となり、その下で総務省⽂文部科学省・経済産業省の人口知能(AI)技術の研究開発の3省連携を図っていくとしています。また、「研究連携会議」と「産業連携会議」を設置し、AI技術の研究開発と成果の社会実装を加速化していくとしています。

Photo (出典:「情報通信審議会 情報通信技術分科会(第117回)」資料)

 4月25日のシンポジウム(「第1回次世代の人口知能技術に関する合同シンポジウム」)をはじめ、「研究連携会議」と「産業連携会議」を月1回程度のペースで開催。検討状況を定期的に人口知能技術戦略会議に報告し、人口知能技術戦略会議では、AI技術に関する重要事項等を検討していく、としています。

著者プロフィル:林雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。

国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。

著書:『スマートマシン 機械が考える時代』『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『オープンデータ超入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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