またAnniversary Updateでは、手書き入力のWindows Inkの機能も強化されている。Windows Ink自体がUWPアプリへ簡単に組み込めるようになった。例えば、画面上にバーチャル定規を表示し、ペンで簡単に直線を引ける。手書きのペン入力もきれいな直線や曲線に修正してくれる。こういった機能を使えば、タブレットをまるで紙のノートやドラフターのように利用できる。
国内でも提供されているデジタルアシスタント機能のCortanaは、米国で提供されている機能に比べると1〜2年ほど遅れている。Anniversary Updateでは、Windows 10のユーザーデータ(メール、カレンダーなど)をベースに、Cortana自体が高度な人工知能となってユーザーが必要とする情報を積極的に提供してくれる。
例えば、出張を決めてカレンダーに入力すると、場所や交通機関をチェックし、宿泊するホテルを検索して勧めてきたり、飛行機の空席状況を表示したりしてくれる。国内でもこれだけのサービスが提供されるかどうかは不明だが、将来的にはWindows 10自体がユーザーの“デジタル秘書”になるのだろう。
ただ、日本ではCortanaのサービスを提供しているクラウド側で日本語サポートが最新の状況に追いついていないため、Anniversary Updateで提供されるCortanaの全ての機能が提供されるとは思えない。
Anniversary Updateのリリース時期は夏頃とされている。筆者の予想は6月末〜7月初旬頃だ。Windows 10への無償アップデートは7月29日に終了するため、Microsoftはその前にAnniversary Updateをリリースして、既存のWindows 7/8.1ユーザーが積極的にWindows 10へアップデートをしてもらえるように誘導しようとしているのだろう。
大手の企業ユーザーにとっては、無償アップデートの終了はそれほど気にならないだろう。ただ、2015年1月13日にWindows 7のメインストリームサポートが終了し、延長サポートは2020年1月14日までとなる。そろそろWindows 10へのアップデートを始める時期に来ているだろう。
次回からは、Anniversary Updateの機能をInsider Previewを使って紹介していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.