次のWindows 10、「Anniversary Update」とは何者かEnterprise IT Kaleidoscope(3/3 ページ)

» 2016年05月23日 08時00分 公開
[山本雅史ITmedia]
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 またAnniversary Updateでは、手書き入力のWindows Inkの機能も強化されている。Windows Ink自体がUWPアプリへ簡単に組み込めるようになった。例えば、画面上にバーチャル定規を表示し、ペンで簡単に直線を引ける。手書きのペン入力もきれいな直線や曲線に修正してくれる。こういった機能を使えば、タブレットをまるで紙のノートやドラフターのように利用できる。

手書きに使えるデジタルインクの機能がAPIとして用意され、。簡単にアプリで定規を表示したり、手書きの線を定規で引いたような直線や曲線に変換する機能もある
アプリと連携すれば3Dの地図ソフトで簡単に距離を計測できる。画面では登山を例に、登山のルートの選択、歩く距離、高度を簡単に表示してくれる

 国内でも提供されているデジタルアシスタント機能のCortanaは、米国で提供されている機能に比べると1〜2年ほど遅れている。Anniversary Updateでは、Windows 10のユーザーデータ(メール、カレンダーなど)をベースに、Cortana自体が高度な人工知能となってユーザーが必要とする情報を積極的に提供してくれる。

 例えば、出張を決めてカレンダーに入力すると、場所や交通機関をチェックし、宿泊するホテルを検索して勧めてきたり、飛行機の空席状況を表示したりしてくれる。国内でもこれだけのサービスが提供されるかどうかは不明だが、将来的にはWindows 10自体がユーザーの“デジタル秘書”になるのだろう。

 ただ、日本ではCortanaのサービスを提供しているクラウド側で日本語サポートが最新の状況に追いついていないため、Anniversary Updateで提供されるCortanaの全ての機能が提供されるとは思えない。

 Anniversary Updateのリリース時期は夏頃とされている。筆者の予想は6月末〜7月初旬頃だ。Windows 10への無償アップデートは7月29日に終了するため、Microsoftはその前にAnniversary Updateをリリースして、既存のWindows 7/8.1ユーザーが積極的にWindows 10へアップデートをしてもらえるように誘導しようとしているのだろう。

 大手の企業ユーザーにとっては、無償アップデートの終了はそれほど気にならないだろう。ただ、2015年1月13日にWindows 7のメインストリームサポートが終了し、延長サポートは2020年1月14日までとなる。そろそろWindows 10へのアップデートを始める時期に来ているだろう。

 次回からは、Anniversary Updateの機能をInsider Previewを使って紹介していく。

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