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» 2016年05月31日 10時00分 UPDATE

アナタの会社で「ネットワーク仮想化」ができない理由

クラウドや仮想化が身近になったものの、ネットワークの仮想化は進んでいないという企業は多い。コスト削減や効率化、ビジネスのスピードアップなど、さまざまなメリットがある一方で導入が進まないのには、日本企業の情報システム部門が抱える課題があるという。

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 企業システムでクラウドや仮想化が身近になった今、サーバやストレージの仮想化を導入している企業は増えているが、一方でネットワークの仮想化はというと、その流れに追い付いていないのが現状だ。

 ネットワーク仮想化には、設定作業負担の軽減や冗長性/可用性の向上、ネットワーク構成の柔軟な変更といったメリットがあるほか、ITインフラ全体を仮想化することで、コスト削減や運用管理の効率化といったメリットの効果も飛躍的に高まる。それでも導入が進まないのには、日本企業の情報システム部門が抱える課題があるという。

 「さまざまな企業を見てきましたが、ネットワーク担当の人がサーバやストレージ担当の人とつながりを持っていないケースが多いです。ファイアウォールやセキュリティ、ロードバランサーなど幅広い知識が必要で、ネットワークの“専任部隊”になりがちなのが一因ですが、それでは仮想化は進みません」(日本ヒューレット・パッカード ネットワークエバンジェリストの山本晃久氏)

 ネットワーク仮想化の際に求められる知識は、ネットワークだけではなく、サーバやストレージといった他のITインフラにも及ぶ。最終的に相互が連携することを見据えた設計をしようとするならなおさらだ。その点で、ネットワーク仮想化は昔よりも難しくなっていると山本氏は指摘する。

 「VLANに代表されるように、昔はネットワーク運用管理と言うとスイッチングとルーティング、つまりL2とL3レイヤーで閉じた世界の話でした。しかし、今のネットワーク管理はもっと複雑。仮想化を行おうとしても、ソフトウェア制御の話と物理的なルーター(スイッチ)双方の知識を持つ人がいない――と頓挫してしまうケースはよくあります」(山本氏)

ネットワーク仮想化に求められる“フルスタックエンジニア”とは?

photo 日本ヒューレット・パッカード ネットワークエバンジェリスト 山本晃久氏

 一方で、ネットワークを始めとしたITインフラ全体の仮想化に成功し、効率的な運用ができている日本企業もあるという。山本氏によれば、「楽天」や「DeNA」といったWeb関連事業を展開する企業がそれに当たる。

 変化の速い業界で、新サービスやビジネスの立ち上げがスムーズに行えることや、トラフィックの変化が激しい点など、ネットワーク仮想化の必要性が高い環境ではあるものの、彼らが仮想化に成功した理由はこれだけではないという。

 「彼らの強みは、ネットワークからサーバ、ストレージまで、ITインフラの幅広い知識を持つ“フルスタックエンジニア”を数多く抱えている点でしょう。SIerのエンジニアとも対等に話ができ、経営から出された要求をサービスへうまく実装できる、日本では貴重な人材です」(山本氏)

 日本ではまだフルスタックエンジニアはそれほど多くはないものの、海外では事情が異なる。エンジニアの人材募集で、幅広くスキルを持っていることが条件だと明示しており、仮に一部足りないスキルがあっても、プロジェクトに配属してから習得できるようバックアップをするのが一般的だそうだ。給与も高く、大きな裁量が与えられていることもあり、新技術を取り入れるモチベーションも高いという。

「技術を勉強し続ける」技術を持っているか?

 海外ではエンジニアがユーザー企業に多く、システム開発が内製で行われていることが多い。日本でも徐々にその傾向は強まってきているが、まだまだパートナーが実装まで行うケースが多いのも事実だ。フルスタックエンジニアが育つには厳しい面はあるが、だからこそ、情報システム部門は「勉強し続ける」ことが大事だと山本氏は話す。

 「知り合いのフルスタックエンジニアの方々を見ていると、彼らはとても勉強熱心です。今すぐに役立つような知識でなくとも、虎視眈眈と機会をうかがいながら勉強を続けることが大事でしょう。会社が援助してくれるならそのお金を使うのもOK。1つ1つの技術を覚えこむよりも、それらはなぜ実現できているのか? 裏で何が起きているのか? というコアの部分を理解することが重要です」(山本氏)

 例えばネットワークの場合、ルーティングの勉強をしていけば、いずれはプロトコルやセキュリティなど、さまざまな知識が必要なことに気付くと山本氏は話す。仮にネットワークではなくとも、「別のところから学び始め、ネットワークにたどりついた」というのもアリだ。

 「昔は、自社製ルーターのサンプルがWebページに載っているような時代もありました。コンフィグの例を試すことで、実際の挙動を体感できる。教えてくれる先生がいなくても、学ぶ環境さえあれば勉強はできます。試しにネットワーク仮想化の技術を本気で学んでみてはいかがでしょう。最終的にさまざまな知識が必要になると分かると思います」(山本氏)

 実際にここ1年ほどで、若いエンジニアが山本氏に質問に来ることが増えたそうだ。ネットワーク担当だけではなく、サーバやストレージ担当の人も増えているとのことで、“よい傾向”と山本氏はみる。

システムの仮想化とともに、組織の“脱サイロ化”も

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 フルスタックエンジニアの不足以外にも、組織構造が仮想化の障壁になるケースもある。縦割りの組織に合わせて、システムも“サイロ化”してしまっている企業はないだろうか。サイロ型のシステムに合わせて、サイロ型の組織から脱却できるかも、仮想化の大きなポイントとなる。

 「組織やITインフラがサイロ化していると、ビジネスのスピードが遅くなってしまうのは否めません。Web関連事業を展開している企業と比べれば、今は同じでも3年から5年もすれば大きな差が出てくるでしょう。ネットワークをはじめとした仮想化がきっかけで、情報システム部門の組織構造を変えたトヨタのような例もあります。構造が変われば、人事評価の方法なども変わらざるを得ないでしょうね」(山本氏)

 最近では通信キャリアなどを中心に、ネットワーク仮想化を本格的に検討する動きが広がっているという。団塊世代の引退で人的リソースの減少が見込まれるなか、仮想化や自動化が必要になるのは間違いない。そして、仮想化の先にITインフラの“パラダイムシフト”が起こると山本氏は話す。

仮想化でITインフラの“パラダイムシフト”が起こる

 「昔のITインフラは責任分解点が明確でした。サーバならサーバ、ストレージなストレージ、ネットワークならネットワーク……。しかし、仮想化の時代ではその考え方は通用しません。今まさにパラダイムシフトが起ころうとしているのです。

 仮想化によって、今までスポットが当たらなかったネットワークの存在感が高まってきています。私は長年ネットワークの技術者として働いてきましたが、“ネットワークをやってきてよかった”と心の底から思っていますよ」(山本氏)

 今こそネットワーク仮想化を学ぶべきだと力説する山本氏。しかし、実際には日本企業の多くは新技術を試すことに対して、消極的なのだそうだ。山本氏は日本の情報システム部門にもっと「技術オタク」になってほしいという。

 「ITの世界は変化が激しいですが、新しい技術を学ぶのは基本的に“楽しいこと”なのだと私は思っています。テクノロジーをどれだけ愛せるかが、これからの時代を生き抜くポイントではないでしょうか。自分の業務がどれだけ会社を変える可能性を持っているか――そんな“グリップ感”が高まれば仕事も自ずと楽しくなるはずです。

 そういう意味で、ヒューレット・パッカード エンタープライズは“技術オタク”をサポートする体制が整っている面白い会社だと思っています。各ジャンルにわたって幅広くソリューションをそろえていますし、もちろん仮想化のソリューションもあります。仮想化をきっかけにして、変化やビジネスに強いIT部門へと変わるお手伝いができればなおいいですね」(山本氏)

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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2016年6月30日