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» 2016年06月14日 10時00分 UPDATE

Enterprise IT Kaleidoscope:Windows 10のEdgeブラウザ、Anniversary Updateでどう変わる? (1/3)

Windows 10の標準ブラウザとなる「Edge」は、当初こそ荒削りだったが、Anniversary Updateで大きな進化を見せるようだ。その姿とまだ不十分なところとは?

[山本雅史,ITmedia]

 Microsoftが近くリリースする「Windows 10 Anniversary Update」(以下、Win10 Anniversary)では、Webブラウザの「Edge」も進化している。企業は、互換性を考えてInternet Explorer(IE)を選択しているが、最新のHTML規格をサポートしたEdgeは、ChromeやFirefoxなどのWebブラウザとの互換性だけでなく、セキュリティレベルの面でもIEよりも向上している。企業でWebシステムの変更を考えているなら、IEからEdgeへの移行をそろそろ考えていくべきいいだろう。

拡張機能(エクステンション)をサポート

 Win10 Anniversaryに搭載されるEdgeの大きな変更は、拡張機能のサポートだ。従来のIEでは、ActiveXなどのプラグインを利用できたが、Edgeではセキュリティ面から使用できなくなっていた(ActiveXプラグインなどはシステムにアクセスできることから、セキュリティ面で問題があった)。このためChromeやFirefoxなどで提供されているさまざまな拡張機能を利用できなかった。

 Edgeでは新たに、W3C(World Wide Web Consortium:HTML規格やWeb関連の規格を策定している団体)で規格化されたブラウザ用の拡張機能がそのままサポートされる。

 W3Cのブラウザ用の拡張機能では、プログラム自体をJavaScriptで記述して、拡張機能の設定(Manifest)、HTMLページ、画像ファイルなどをZipファイルにパッケージ化して配布する。ブラウザ側は、このZipファイルを解凍して動作させる。

 Edgeの拡張機能は、W3Cの規格に則っているため、ChromeやFirefoxの拡張機能との互換性がある。ただし、ChromeやFirefoxの拡張機能がそのまま利用できるわけではなく、ManifestファイルやJavaScriptファイルなどを少し変更する必要がある。それでも、全く異なる仕組みのプラグインを開発することから考えれば、非常に簡単に移植できる(拡張機能によっては、そのまま動作するソフトもある)。

 配布は、Windows ストアから行うため、ZipファイルをWindows ストアで配布できる形式のAPPXパッケージに変換する必要がある。

 Windows ストアでは、アプリのセキュリティや信頼性などから、事前に審査を行っているため、拡張機能に関しても開発者が自由に配布できるという仕組みにはなっていない。Windows ストアの審査が絡むことから、Win10 Anniversaryのリリース直後すぐにEdgeの拡張機能が数百、数千も提供されるということは考えにくい。やはり、ChromeやFirefox並みの数に増えるには、半年から1年かかるだろう。

 企業で心配されるのは、社員が勝手にEdgeの拡張機能をインストールしてトラブルが起こることだろう。Win10 Anniversaryのグループポリシーには、Edgeの拡張機能の使用許可など、Edgeのさまざまな機能が管理できるようになっている。Active Directory(AD)のグループポリシー管理などを使って、企業全体でEdgeの動作を管理できる。

Edgeでは拡張機能がサポートされ、既にプレビュー版でいくつかの拡張機能が用意されている
Edgeに拡張機能をインストールするには、設定の拡張機能からストアを起動する
新しいストアには「Edge Extensions」というカテゴリーが用意されている
拡張機能は、JSON形式のManifest、JavaScriptのコンテンツスクリプト、UIやバックグランド用のHTMLページからできている

 もう一つ重要なのは、EdgeでのWindows Helloのサポートだ。Windows Helloは、Windows 10のログイン時に利用されている生体認証(顔、指紋など)システムとなる。EdgeがWindows Helloをサポートすることで、WebサイトからIDとパスワードを入力する手間を省くだけではなく、Webサイト側や通信回線のインターネット上に、IDとパスワードが流れないので高いセキュリティを保つことができる。

 ユーザーにとっては、WebサイトごとにIDやパスワードを覚えておく必要もない(紙にメモしたリストを置いたり、使い回しによるセキュリティホールになることもない)。カメラを使えば、顔認証でスムーズにWebサイトへアクセスできる。

 この機能は、FIDO 2.0に準拠したW3Cの「Web Authentication API」を利用しているため、Webサーバ側でEdgeのWindows Helloに対応するために専用の認証システムを構築する必要はない。ただし、FIDO 2.0に対応した認証システムの構築が必要だ(既存のIDとパスワード認証がそのまま利用できるわけではない)。

Win10 AnniversaryのEdgeではWebサイトのログインにWindows Helloを使用できる
仕組みにはFIDO 2.0を使う
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