それではFreeBSD 10.3を例に、Docker on FreeBSDを稼働させてみます。まずはホストOSを稼働させる物理サーバを用意し、FreeBSDをインストールします。FreeBSDは、対応しているハードウェアリストが掲載されていますので、事前に情報を入手しておきます。
安定版の10.3のFreeBSDの入手先を掲載しておきます。
FreeBSD 10.3のISOイメージ入手先(※ISOファイルがダウンロードされます)
入手したISOイメージをDVDメディアなどに焼き付けるか、物理サーバに搭載された遠隔管理チップの仮想DVDドライブにマウント後、電源を投入してDVDブートします。FreeBSDのインストール手順は割愛しますが、ディスクパーティションはZFSを選択しておきます。DockerではZFSファイルシステムを利用しますので、事前にOS領域をZFSパーティションで構成しておくと後の設定作業を若干短縮できます。インストーラ内でNICにIPアドレス、ゲートウェイ、DNSを設定し、OS起動後すぐにインターネットにアクセスできるようにしてください。
FreeBSD 10.3をインストールできたら、OSを設定します。外部からSSH接続ができると作業は効率的ですので、SSHサービスを有効にしておきます。この作業はDockerの利用に必須ではありませんので、ローカルで作業する場合は不要です。
# vi /etc/rc.conf ... sshd_enable=YES ...
# vi /etc/ssh/sshd_config ... PermitRootLogin yes ... PasswordAuthentication yes ... # service sshd restart
次に、DNSの参照先が正しく設定されているかどうか確認します。Dockerのパッケージの入手に、インターネット接続が必要です。以下は、DNSサーバが172.16.1.1の場合の記述例です。
# cat /etc/resolv.conf ... nameserver 172.16.1.1 ... #
FreeBSDにおいて、ZFSのカーネルモジュール「zfs.ko」がロードされているかを確認します。
# kldstat |grep zfs 2 1 0xffffffff819bd000 2fc448 zfs.ko
上記のように「xfs.ko」が表示されていれば、ZFSが利用できます。もし表示されていない場合は、カーネルモジュールが組み込まれていませんので、以下のコマンドで組み込みます。
# kldload zfs
現時点でOSのディスクパーティションは、ZFSで構成されていますが、別途、Dockerを利用するためのZFSファイルシステムを作成します。本来なら、新たに物理的なHDDを追加し、そこにDocker用のファイルシステムを作成しますが、今回は簡易的な機能確認のため、OS領域に含まれる「/usr/docker」ディレクトリにZFSファイルシステムを作成して、そのファイル上でDockerを利用します。
# zfs create -o mountpoint=/usr/docker zroot/docker # sysrc zfs_enable=YES # grep zfs /etc/rc.conf zfs_enable="YES"
以上で、Dockerを利用するためのZFSファイルシステムが用意できました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.