Windows 10へのアップグレードをめぐる騒動が起きている。その原因と対処方法、企業での対応などについておさらいしてみたい。
Windows 10への無償アップグレードの期間が50日を切り(無償アップグレードは7月29日まで)、Windows 10へアップグレードが「強制」とも言われる状態になった。今までWindows 10へのアップグレードは、Windows Updateのトップ画面に表示されたり(Windows Updateのオプションの更新プログラムでWindows 10へのアップグレードを提供)、タスクバーに「Windows 10を入手する」プログラムが用意されたりしていた。
しかし5月の中旬からは、Windows Updateがアップデートの日時を指定して、アップグレードを始めるというように変更された。キャンセルの仕方も分かりにくい。致命的なのは、Windows 10へのアップグレードスケジュールが表示されたウィンドウの右上の「×」をクリックしても、アップグレードの予約がキャンセルされない。
多くのユーザーは、ウィンドウのキャンセルボタンをクリックすれば、動作がキャンセルすると思っているが、Windows 10 アップグレードはキャンセルされない。このため、ユーザーが認識していないうちにWindows 10へのアップグレードが行われてしまい、トラブルになっているわけだ。
Windows 10へのアップグレードをキャンセルするには、Windows 10へのアップグレードのスケジュールが表示されたウィンドウで、明示的にキャンセルを行う必要がある。もしアップグレードが開始されても、Windows 10の「ソフトウェアライセンス条項(EULA)」(「これは法的文書です」と表示される)画面で、「拒否」を選択すれば、以前のWindows環境に戻すことができる。
Windows 10にアップグレードしたとしても、スタートメニューの「設定」から「更新」「セキュリティ」「回復」の順に進んで、「Windows 7/8.1に戻す」をという選択をすれば、以前のOSに戻すことができる。ただし、これが行えるのはWindows 10へのアップグレード後30日間だけだ。
多くのユーザーが怒っているのは、Windows 10へのアップグレードをキャンセルしたと思っていても、勝手にアップグレードされるという点だ。
Windows 10へのアップグレードが1年間無償で行わること自体は、ユーザーにとって大きなメリットにはなるだろう(Microsoftにとっても、古いOSのPCをできるだけ少なくするというメリットもある)。だが今回は、アップグレードへの誘導の仕方がまずい。できればもう少し、ユーザーがアップグレードをしっかりと認識した上でアップグレードできるようにした方がよかったと思う。
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