チャット文化の新入社員、ビジネスメールに異常アリ!?女子ヘルプデスク今昔物語 第4話(3/3 ページ)

» 2016年07月01日 08時00分 公開
[鐙貴絵ITmedia]
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メール文化を知らない若者たちへ

研修課: はい、われわれもメールのルールやマナーをきちんと教える必要があると考えています。そこで、電子メールの講座をどこかで入れたいんですが、対応をお願いできませんか?

Aさん: なるほど。電子メールに関する資料があるから、それを基にテキストにするのはそんなに時間はかからないと思うよ。

 それって、まさか私の仕事ですか……いや、聞くだけ無駄だ。「頼むよ」の一言で済まされるに決まってる。

わたし: 知識はそれでいいとして、どうやって癖をつけさせます?

研修課: 取りあえず、毎日の研修報告書をメールで出させようと思うんです。今は指定した共有フォルダに保存させていますが、それを私宛に送ってもらいます。そして質問メールは今まで通り、講師に直接出してもらうことで多少は癖が付くのではないかと。毎日最低1通は出すように指導してもいいかもしれません。講師側でも、メールに不適切な部分があったら指摘してほしいんです。

 この人、とんでもないことをしれっと言うなあ。新入社員全員から質問メールを毎日受け取るのは私なのよ。まぁ、研修課の人も毎日報告書をメールで受け取ることになるのか。ただ、練習とはいえ、毎日メールを2通出すのは新入社員にとっても手間なんじゃないかしら。しかも、同じようなことを何度も指摘されると嫌になるかもしれない。

photo メール文化を知らない若者にどうルールを教えればいいか?

わたし: 私に問題のあるメールを出す人は、研修課へ出すときも同じミスをすると思うんです。研修課と講師の両方からミスを指摘されたら、モチベーションが下がってしまうと考えます。ミスを指摘する場合、どちらか片方からがいいと思うんですが。

Aさん: ああ、そうだね。しかも講師は入れ替わるから、このことを都度引き継ぐのも大変だろう。問題のあるメールを君が受け取ったら、君から研修課に報告して、一括でミスを指摘するのがよさそうだね。

 Aさん、ナイスフォロー。とはいえ、私の仕事も増えてしまった。かなり昔に作った電子メールに関する資料を引っ張り出して、それを今どきの内容に修正する作業を今日中にやることになったのだ。

 電子メールがビジネスの世界に入ってきたのは1990年代の終わりごろ。およそ20年前、今の新入社員が生まれたころだ。こうしたデジタルツールは日々変わっていく。電子メールにしても、ちゃんとしたルールを知らない人のほうが多いんじゃないかしら。世の中にはビジネスメール教育を行う団体(参考リンク)もあるくらいだし。新入社員がメールのルールを知らない、などと言う前に、受け入れる私たちのリテラシーもちゃんと考えておかないとね。

 ……あれ、今回はオチがない!

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