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» 2016年07月14日 06時30分 UPDATE

ダイセル、エアバッグ製造などの改善に画像解析システムを活用へ

日立製作所と開発した画像解析システムを播磨工場に導入し、2016年度中に本格運用を始める。

[ITmedia]

 日立製作所とダイセルは7月13日、工場の現場作業員の逸脱動作や設備の不具合の予兆を検出する画像解析システムを開発したと発表した。2016年度中に播磨工場へ導入して、本格運用を始めることにしている。

 同システムは、大量の画像データから品質改善や生産性の向上に関する情報だけをリアルタイムに抽出し、データ解析する。製造現場の画像データを蓄積し、製品シリアルの単位で最終製品と連携させることにより、不具合品発生の原因特定・改善、さらにはシリアル単位で最終製品を追跡する「マルチトレーサビリティ」が可能になるという。

 具体的には製造実行管理システムと連動。品質の保証をロット単位による代表点管理から、製品シリアル単位で人・設備・材料の状態を連続的に監視する全点管理へと移行させる。これによって組立加工ラインでの各工程の良品率を示す「工程内保証率」を格段に向上できるという。作業員の動作を3次元形状として計測する距離カメラを使い、人物の手や肘、肩といった関節の位置情報を取得する。事前に作成された標準動作モデルとカメラで取得した実際のデータを統計的に比較することで、逸脱動作を判定する。

画像解析システムを用いた現場作業員や設備のセンシング例(出典:日立製作所)
カメラの設置イメージ(同)

 設備や材料の不具合などは通常時の画像と差分を分析して、その異常を検知する。製造実行管理システムと連動することで溶接不良についても、高速カメラによる発光部の色分析と既存設備の電流、電圧データなどを併用し、異常を検知する。

 2社は、2015年2月から1年4カ月にわたってダイセル播磨工場で同システムの実用化を進めてきた。播磨工場は主にエアバッグの基幹部品を製造し、両社は自動車エアバッグ用インフレータ生産工程で活用を検討してきたという。実証実験から、製造現場での作業者の動作や設備・材料の状態を定量的に把握するで、製品の品質改善や生産性の向上、トレーサビリティ精度の向上に有効と判断した。

 工業用製品の生産現場では、画像のリアルタイム解析が有効だとされ、2社は播磨工場たけでなく、海外6工場にも開発したシステムの導入を進め、クラウドも活用して統一仕様設計や標準化を図っていくという。世界中のさまざま業界でメガリコール問題が発生していることから、現場の経験や勘に実績データを取り入れて分析することで、品質の改善や向上を目指す動きが加速しそうだ。

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