増え続けるアーカイブデータの保管に最適な光ディスクという選択肢

現在の企業や組織には取っておかなければならないアーカイブデータが膨大にあり、その長期保管へのニーズが高まっている。そこで注目されているのが、光ディスクだ。富士通の光ディスクライブラリ「FUJITSU Storage ETERNUS DA700」は、アーカイブデータの保管に必須ともいえる3つの要件を満たし、データ活用も視野に入れたソリューションを提供する。

» 2016年07月19日 10時00分 公開
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増え続ける組織内のアーカイブデータ

 ビッグデータ時代と言われる今日、大量のデータが日々生成され続けている。従来はすぐに捨てられていたデータでさえも、次のビジネスに活用すべく長期保存されるようになった。さらに法改正を受けて、これまで紙に保存していた書類の電子化が進むなど、組織が保管するデータは激増の一途をたどっている。

 このような、変更されることなく長期的な保管が求められるデータは、アーカイブデータと呼ばれる。データをアーカイブすべき理由は義務であったり、資産活用だったりとさまざまだが、いずれの場合でも組織にとっては非常に重要な取り組みである。富士通 サービス&システムビジネス推進本部 システムプラットフォームビジネス統括部 ストレージビジネス推進部の今井治男氏によると、組織内には大きく3種類のアーカイブデータが存在するという。

 「アーカイブデータには、法規制に対応するための『コンプライアンス アーカイブ』、後世に資産を残すための『ヒストリカル アーカイブ』、データを活用して価値を生み出す『アナリティクス アーカイブ』の3つの種類があると考えています。いずれも数十年単位の長期にわたって保存しなければなりませんが、それぞれに求められる要件は少しずつ異なっています」(今井氏)

 1つ目のコンプライアンス アーカイブとは、法令や社規などで長期保管が義務付けられたデータだ。2005年4月に施行された「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」(e-文書法)では、法人税法、保険業法、薬事法など約250の法令で保存が義務付けられている書類の電子保存が容認された。また直近の2016年1月には、国税関係書類の電子保存を規定した改正・電子帳簿保存法の運用が始まって証憑をデータ化できる範囲が広がるなど、長期保管のニーズは高まる一方だ。こうした法規制に対応する電子文書を保管するには「長寿命」であることが第一の要件になる。

 2つ目のヒストリカル アーカイブは、博物館や図書館、公文書館などが文化資産をデジタル化して長期保管するデータを指す。米国では公文書を永久保管するために電子記録管理への移行を促す大統領覚書が発出され、日本でも国立公文書館や映像・放送業界などで情報資産のデジタルアーカイブ化が積極的に進められるなど、世界的な広がりを見せている。これらの資産を守るには「耐久性」の高さが鍵を握る。

 そして3つ目のアナリティクス アーカイブは、ビッグデータ分析に用いられるソースなど、新たな価値を生み出す可能性があるデータだ。科学研究分野における実験・観測データをはじめ、IoT機器のセンサーデータ、各種システムのログデータのような組織が分析に利用するデータも含まれる。こうしたデータ活用にとって重要なのは「互換性」だと今井氏は語る。

アーカイブデータの長期保管に最適な光ディスクライブラリ

 このように、組織内では膨大なアーカイブデータを保管する必要性が高まっているものの、解決が急がれる大きな課題が存在する。それは、多くの組織がアーカイブデータをHDDに保存しており、慢性的なストレージ不足に悩まされていることだ。

 「光ディスクは、理論上メディアに書き込まれたデータを50年以上保持できるので、寿命が非常に長いと言えます。記録後の状態が安定していることに加え、完全非接触の読み書きによってメディアの磨耗が少ないなど耐久性も高く、さらには30年以上前に製品化されたCDのデータを現在も再生できることからも分かるように、互換性の点も安心して利用できます」(今井氏)

FUJITSU Storage ETERNUS DA700

 こうした光ディスクの特長から、富士通はアーカイブデータの保管用途として光ディスクライブラリ「FUJITSU Storage ETERNUS DA700」をETERNUSシリーズの1つに加えた。この製品は、パナソニックのOEM製品である。

 ETERNUS DA700は、現時点においてディスク1枚あたり300Gバイトという大容量を実現した「Archival Disc」(アーカイバル ディスク)をメディアとして採用している。これは2014年3月にパナソニックとソニーが策定したBlu-rayTMの後継にあたる次世代の光ディスクであり、将来的にディスク1枚あたり1テラバイトまで容量を増やすロードマップが示されている。

光ディスクを格納する「データアーカイバーマガジン」

 ETERNUS DA700は、この光ディスクを「データアーカイバーマガジン」と呼ばれるカートリッジの中に12枚まとめて格納し、ディスクを損傷から防止しながらマガジン単位で着脱できる構造になっている。ライブラリ装置の最小構成は光ディスクが1,824枚(152マガジン)、データ容量が520テラバイトで、最大約1.8ペタバイトまで格納可能だ。マガジンを取り外して外部の倉庫にも保管するなど、テープのように運用できる。

 「光ディスクなら、データの読み書き時にメディアにヘッドが接触しないため、メディアが故障するリスクを最小化できます。また、RAID構成を採用するため、書き込むデータを冗長化できるほか、改ざんを防止するライトワンスディスク機能やデータ流出を防ぐデータ暗号化機能を備えるなど、データを安全に保管できます」(今井氏)

 さらにETERNUS DA700は、電源投入中の動作部品が少ないため、HDDを用いたアーカイブストレージ製品と比較して、消費電力が最大約80%も削減できるという。発熱も少ないことから空調電力などデータセンターの運用コスト削減にも貢献する。

Archival Discはディスク1枚あたり1テラバイトまでのロードマップが公表されている

アーカイブデータの管理・活用を実現するソフトウェア

 ETERNUS DA700の利用シーンを広げるべく富士通は、同社ならではの取り組みも進めている。それが「スマートコンテンツマネージャー」という新しいソフトウェア製品とETERNUS DA700を組み合わせたソリューションだ。

 スマートコンテンツマネージャーは、富士通ミッションクリティカルシステムズが開発・販売する。電子化された紙資料や画像・動画などの非構造化データに、従来の構造化データも加えたデジタルデータ全体を対象として、メタデータの抽出から蓄積/保管、検索機能までを提供する。

 「スマートコンテンツマネージャーは、200形式以上の多種多様で膨大なデジタルコンテンツに対応し、データの長期間保全、変化に合わせた柔軟な管理、簡単・迅速で自在な活用というコンテンツのライフサイクルマネジメントをスマートに実現します」(先端ソリューションビジネス推進室 副室長 赤澤範英氏)

 同ソフトウェアは、デジタルコンテンツの登録時にメタデータを自動的に抽出・追加する。ユーザーが付せんを貼るようなイメージで、メタデータをデジタルコンテンツに追加したり、後付けや編集したりもできる。アーカイブされているデータを活用する際には、さまざまなキーワードや条件からメタデータを横串で検索でき、利用者がデータの保管場所を気にする必要がないという。

スマートコンテンツマネージャーを利用すれば、ETERNUS DA700やファイルサーバ、バックアップストレージなどに保存されているデータを管理・活用できる

 例えば、PDFファイルを保存すると、スマートコンテンツマネージャーはPDFファイルの全文を参照してキーワードを自動的に抽出し、メタデータとして登録する。活用時にはWeb検索のようにキーワード検索するだけでいい。複数条件での検索や絞り込みも可能で、画像・動画の検索結果ではサムネイルも表示される。

 「検索機能はフリーキーワード検索、絞込み検索に対応しており、例えば、データ登録年月日、ファイル種類やタグの種別で絞り込み検索が可能です。絞り込み項目は新しいファイル種別やタグが追加されると、自動的に検索画面の絞り込み条件に反映されるので、簡単かつダイナミックな検索が可能です」(赤澤氏)

 このスマートコンテンツマネージャーとETERNUS DA700を組み合わせることで、ストレージを階層化してアーカイブデータを管理できる。具体的には、コンテンツのメタデータをもとにアーカイブポリシーを設定し、ストレージのHDDからETERNUS DA700へ、アーカイブデータをダイナミックに移動することが可能だ。

 富士通はこのソリューションによって、電子化された各種書類・証憑データの一元管理、映像のデジタルファイル化、研究論文や実験データの長期保管などさまざまなアーカイブデータの用途に活用できると考えているという。日々膨大に発生するデータを安全に保管したいという組織にとって、長寿命・耐久性・互換性に優れた光ディスクによるアーカイブは大きな助けになるだろう。

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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2016年8月29日