セゾンDMPの構築と並行して、同社ではセルフサービスBIツールの導入も進めていた。クレディセゾンでは従来、顧客情報や購買情報を分析するツールとして、テラデータのほかSASを導入しているが、さらに多くの現場に近いメンバーも分析に参加することで、新たな知見を得られるのではないかと考え、セルフサービスBIの導入を検討し始めたという。
SAPやPower BIなど、さまざまなツールを約半年ほど比較検討した結果、クレディセゾンでは「Tableau」を採用することに決めた。その理由について、同社ネット事業部 インキュベーション部の井上洋平さんは次のように話す。
「Tableauを選択した理由は主に2つあります。1つはUIやUXが優れており、社内で広く使ってもらえそうだと思ったことです。やはり、SQLを意識せずに使える点はセルフBI全般のメリットですね。もう1つはセキュリティの観点です。DBを開放したくなかったため、TableauがセゾンDMPと同じく、Microsoft Azure上にインストールできることが決め手になりました」(井上さん)
現在は部内の数人で使用しており、分析を行っているところだという。効果が表れれば、導入の範囲を広げていく構えだ。
「例えばカード事業部のリボルビング払いの利用促進を担当しているメンバーが、これを使ってカードの利用促進をする新しいクラスタを発見するとか、そんな形になっていくのが理想ですね。そのためには、使いやすいツールが身近にある環境が大事です。
これまでクレディセゾンでは、顧客情報や購買情報などデータベースは分かれていたものの、それぞれのデータベースに対して皆が使える分析ツールが用意されていて、それがノウハウとして伝授されてきていました。だから、マーケティングが強い会社になったのだと思うのです。そんな取り組みがセゾンDMPでもできるようにしていきたいですね」(井上氏)
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