企業クライアントとして見た場合、タブレットの利点は非常に多い。ここまでで紹介した機能も含めて、あらためて列挙してみよう。
一方で、幾つかの課題もある。最大の問題は拡張性である。iPadにはUSB端子はもちろん、SDカードのスロットすらない。スマートカード(ICカード)も利用できない。内蔵ストレージも拡張できないし、主記憶やCPUのバリエーションも少ない。Android系のタブレットには拡張機能を持った機種も存在するが、PCほど自由ではない。
しかし、拡張性のなさは、トラブルが少ないことにつながる。PCの利点は「何でもできる」ことだが、それがトラブルの原因となる。
PCに不具合が発生したとき、大抵の人は「何もしてません」と言うが、ほとんどの場合は何かしている。何かしているのだが、あまりにいろいろなことができるので、何をしたか自分でも分かっていないのである。
「何もしてません」は、PC初級者だけが発する言葉ではない。私の同僚も、私も突然のトラブルが起こったときは「何もしてないと思うんですけど」と言うことが多い。「思う」……つまり「気付いてないだけで何かしたかもしれない」と謙虚になることだけが初心者との違いである。
タブレットにも多くの設定項目があるものの、その数はPCよりもずっと少ない。サポートする上では、PCよりもずっと楽だろうと想像できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.