「日本のITエンジニアは優秀。英語さえできれば欧米人も圧倒できる――。
そんな話を聞いたことはありますか? 実際のところ、これはどうでしょうか?
まずは上位のトップエンジニア層。確かに日本のエンジニアには優秀な人がいらっしゃいます。しかしながら、ITインフラの主流は他人の作った製品であるためか、欧米人を「圧倒」「凌駕」しているケースはあまり見られません。「対等に渡り合える」と言った感じでしょうか。
実際のところ、日本人でトップを除いた平均層の知識は、そんなに高くないと思っています。ですが、これは仕方ないと思います。日本のエンドユーザーにおいて仕事のメインの6割以上が運用・保守と言われており、システム提案を行うSIベンダーもまた、“炎上”・“赤字”案件にならないよう、リスクを避けたレガシーな設計を好みます。ですので、新しいスキルを学ぶ・実践を積む機会はほとんど無いのです。
リスクのないレガシーな設計・提案は確かにトラブルを回避でき、スケジュールを順守できますが、実施する当人にとってみればまるでベルトコンベアみたいな作業。型にはまっているがゆえ、ちょっとプログラミングすれば作業を自動化できてしまいそうです。
実は、“環境構築の自動化”は現実化し始めています。例えば、これまで何回も紹介したハイパーコンバージドインフラは、ストレージがサーバに内蔵されていることもあり、人力作業の必要な「ケーブルの物理配線」がほとんどありません。「Software-Defined」の言葉どおり、構築作業のほとんどはソフトウェア設定になります。それであれば、自動化は簡単。家電機器のような“セットアップウィザード”を実装することができ、このウィザードを実行するだけで、SI構築はほぼ完了してしまうのです。
Software-Defined化によるセットアップウィザードの流れは、今後より加速しそうです。仮想化ソフトウェア最大手のヴイエムウェアは「VMware SDDC Manager」という新ツールを先日発表しました。これは、仮想化基盤のみならず、VDI(同社Horizon View)やネットワーク仮想化・プライベートクラウドに至るまで、環境構築作業を、誰でも・簡単に・自動化してしまえます。
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