「日本企業に価値あるIT活用を広げたい」 JBCCと日本ヒューレット・パッカードのパートナーシップが目指すものとは?

変革を迫られる日本企業にとってIT活用は進んでいるが、まだまだ先進諸国に比べて遅れている――ITソリューションプロバイダーのJBCCはITの価値をお届けできていない市場、お客様のIT利活用をさらに推進すべく、新たに日本ヒューレット・パッカードとパートナーシップを組む。両社はこれによってお客様にどのような価値を提供しようとしているのか。キーマンたちにその狙いを聞く。

» 2016年10月17日 10時00分 公開
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日本企業のIT活用が進まない?

 ビジネスを取り巻く世界の状況は、目まぐるしく変化し続けている。企業の変革にITの活用が叫ばれて久しいが、残念ながら日本は米国などの先進諸国に比べて大きく遅れている――こう指摘するのは、ITソリューションプロバイダーのJBCCで上級執行役員 プラットフォーム・ソリューション事業部長を務める吉松正三氏だ。

 さまざまな調査をみても日本の労働生産性は先進諸国の中でも極めて低く、その原因の一端が進まないIT活用にあることは想像に難くない。極端に言えば、本当の意味での企業のIT活用は、日本の再成長の実現に大きく関わる課題といえる。

 なぜ、IT活用で日本と米国に温度差が生じるのだろうか。その理由はいくつか考えられるが、中でも吉松氏が一番の要因とみるのは、IT利活用の価値をお客様に正しく届ける、提案することが不十分なITソリューション・プロバイダー側にあるのではないかと指摘する。クラウドサービスもあり、以前よりはるかにITの調達、活用のハードルは下がっているにもかかわらず、依然としてITをフル活用するには至っていない。

JBCC 上級執行役員 プラットフォーム・ソリューション事業部長 吉松正三氏

「IT活用への理解が進まないのは、その有効性を提供側が利用者側に伝えきれないことが大きく影響している。我々のようなITの提供側はそのことを真剣に捉え、本当の意味で顧客企業のIT活用を支援していくためにも、自ら変革しなければならない」

 1970年代後半にわが国初の日本語対応オフコンやネットワーク分散処理システムを開発した実績を持つJBCCは、その時代ごとに新しい技術を積極的に取り込み、顧客企業にITの価値を提供し続けてきた。特に、ITを活用したくとも経営資源が限られる中堅企業にとっては、“IT活用の知恵袋”と表現できるほどの役割を担っている。それだけに、「企業のIT活用」という至上命題への危機感は人一倍強いようだ。

HPEとの新たなパートナーシップに見出す可能性

 吉松氏は、JBCCがこうした実績を積み重ねながらも、顧客企業に対するIT活用のための情報やソリューションの提供が不十分だったと語る。

「クラウドコンピューティングを支える仮想化技術に目を向けると、その活用を通じてリソースを集約すれば、ITコストを大きく削減できるメリットを得ながら高可用性も実現できる。だが、仮想化技術の活用には高度な専門知識が必要で、中堅企業は本格的採用に踏み切れないでいる。その原因は、やはり我々から利用者側への情報提供、提案活動が不十分だったことにある」(吉松氏)

 もっとも、仮想化やクラウドのような技術は革新のスピードがあまりに早く、常にキャッチアップするのが難しい。ソリューションを提供する側にとって、利用者のIT活用を支援するために不可欠な技術に関するタイムリーな情報や最新の知識をどう得るかが大きな課題となっている。この状況を打開すべくJBCCは、日本ヒューレット・パッカード(HPE)と新たなパートナーシップを結ぶことを選んだ。

「我々の使命は、お客様がITを活用するための最新技術や情報を提供すること。同時にリセラーとしても、競合他社よりも顧客に貢献できる優れた提案をしなければならず、あらゆるメーカーと関係を深めることが欠かせないと考えている」(吉松氏)

 吉松氏によれば、現在のITベンダーはクラウドなどのサービス提供に軸足を置く企業と、サービスを支える技術や製品の開発・提供に注力する企業とに二極化している。そこで多彩なソリューションの実現を目指すJBCCは、テクノロジーメーカーとしてのHPEが有力なパートナーになる可能性を見出した。

 JBCCがHPEとのパートナーシップを検討する直接的なきっかけがストレージだ。3年ほど前、ある中堅企業への提案でお客様の要望に応えられると確信し、HPEの「3PAR StoreServ」に注目した。「3PARが仮想化技術への対応と豊富な機能の実装で他の同クラス製品と一線を画していることを知り、そうした独自性が融通の利きにくい従来型の製品とは異なり、ITの利用や活用における変化にも柔軟に対応できるメリットをお客様に提供できると分かったからだ。例えば、分散スペアリング/SSDを活用したストレージの仮想化機能や、業務に影響を与えることなくオンラインメンテナンスが可能であることは、中堅のお客様の仮想化基盤を支える上でも重要な選定基準となる」(吉松氏)

 同時期には、新しいビジネスの創出や既存ビジネスの変革のために、ビッグデータの収集・分析という顧客ニーズが生まれ始め、さらにはIoTというデータを通じた新しい価値創造のための仕組みへの期待も高まりだした。その鍵を握るデータの活用において、ストレージは非常に重要な技術であり、JBCCがHPEとのパートナーシップを組むことにもつながったという。

パートナーを前提としたHPEのビジネスモデルも評価

 吉松氏は、技術面のみならずパートナーを中心に据えるHPEのビジネスモデルも高く評価しているという。

 「お客様にソリューションを提供するためには、メーカーの最新技術を深く理解しないといけない。しかし、メーカーによるパートナー向けトレーニングの機会は必ずしも十分ではなく、技術の習得を進めづらいこともある。HPEのトレーニングは充実しており、機会も十分なため最新の技術を習得しやすく、お客様に提供するための我々の技術力の向上に貢献してくれると期待している」(吉松氏)

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズパートナー営業統括 第一営業統括本部・エンタープライズアカウント営業統括部 角谷修氏

 なお、HPEは直販も手掛けているが、パートナーのビジネスを阻害しない独自の枠組みを取り入れているという。HPE 執行役員 エンタープライズアカウント営業統括本部の角谷修氏は、「仮にHPEとパートナーが同じお客様にアプローチするような可能性があっても、大切なパートナーの営業を支援し、直販担当とパートナー担当がOneTeamで協業できる仕組みになっている」と説明する。

 HPEとのパートナーシップを検討する上で吉松氏は、実際にHPEの米国本社を訪問。「HPE幹部との会合なども通じて、パートナーをとても大事に扱うメーカーだと実感した」(吉松氏)という。

 加えて吉松氏は、サーバやストレージ、ネットワークなど、幅広い製品や技術の開発・提供を手掛ける総合ITメーカーとしてのHPEに大きな期待を寄せる。

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズグループ事業統括 ストレージ事業統括本部 事業統括本部長 山口太氏

 「ITシステムに不可欠なものをワンストップで提供できるようになることは、お客様にとってもメリットになる。異なるメーカーの製品で構築されたシステムでは、障害など万一の際の問題点の切り分けや対応が煩雑になり、運用管理工数を増大させかねない。その点でフルラインの製品を持つHPEなら、お客様の要望を満たすと同時に、コストの節減や手厚いサポートなども含め、メリットのある提案ができる」(吉松氏)

 例えば、JBCCがパートナーシップを結ぶきっかけになった3PARについてHPEは、日本企業から寄せられる要望を積極的に製品開発に取り入れているという。

「3PARでは、製品の開発や改善において日本のお客様のご要望を反映し続けており、パートナーには将来の製品ロードマップも公開し長く信頼していただける関係づくりを大切にしている」(HPE 執行役員ストレージ事業統括本部長の山口太氏)

3PARなど既に多数の導入実績も

 JBCCとHPEの新しいパートナーシップはこれから本格化していくが、実際には3PARだけで、既に30システム以上の導入を手掛けているという。中でもその代表例が、名古屋市に本社を置く物流大手の株式会社東山(とうざん)様における導入プロジェクトだ。

 東山様では、汎用サーバで稼働させていた基幹系システムの運用コスト削減を目的に、仮想化環境へ移行したものの、ハードウェアが複数のメーカーに及んだことにより、重要なデータのバックアップが困難になるという別の課題に直面した。事業継続性を確保する上でこの課題を解決しなければならないが、それには多額のコストが発生するため、具体策に悩んだという。

 そこでJBCCでは、3PARと最先端のデータ重複排除機能を持つソフトウェア・デファインド型ストレージ(SDS)の「HPE StoreOnce VSA」を組み合わせたソリューションを提案する。リモートサイト側にSDSという先進的な技術を導入することで、1台のサーバー上でバックアップデータ複製と災害時にアプリケーションを立ち上げ業務再開を実現するシステムを構築した。少ない導入コストでシンプルな構成ながら、お客様の求める信頼性や効率的な運用性を確保しているとのことだ。

「先進的なSDS技術を顧客の求めるコストで提供できたことは、HPEの協力があったからこそ。技術的に優れた製品をワンストップで速やかにお客様へ届けられるメリットは大きい」(吉松氏)

JBCCとHPEが解決した東山様のバックアップシステムの構成

 そして、吉松氏は次のように続ける。

「長期的なパートナーシップでは成果を出し続けることが必要で、それができなければ自然消滅する。お客様のIT活用が飛躍的に広がるようスキル、提案力の向上を継続することが肝要だ」。

HPEがパートナーに期待する新たな成長

 JBCCとのパートナーシップにHPE側の期待も大きいようだ。山口氏は、「JBCCのソリューションに3PARをはじめとする製品が加わることで、HPEの技術がJBCCのお客様に貢献できるようになるのはうれしい。今回の株式会社東山様のストレージ導入事例は、両社の強みを最大限活かすことでお客様のご要望にお応えする事ができた。今後も実績を高めていくことで、JBCCやお客様がより大きなメリットを享受できるよう努めたい」と話す。

 角谷氏も、「JBCCが強みとする流通や製造、金融、医療などの分野の顧客に対して、HPEとしても今まで以上に貢献していきたいと考えており、とりわけ医療分野においてはJBCCがサポートしている医療系コミュニティー活動に協力し始めたところだ」と語る。

 HPE側のこうした取り組みに対して吉松氏は、「競合を含めて多数のソリューション提案の中からJBCCを採用してくれたお客様から、『ユーザー目線で我々の課題の優先順位に合致した3PARを選び提案してくれたことがJBCCを選択した決め手だった』と評価され、協業の成果が出ている」と語る。お客様の期待に貢献できる製品やアイデアがあっても、やはり製品力やサポート力を伴わないと、ソリューションとしてお客様に提案できない。HPEとのパートナーシップを通じてJBCCは、お客様顧客の課題にあわせて適切な提案とソリューションの提供が今まで以上に可能になる。

 「もちろん、そこに安住すればお客様に対する今以上の価値ある提案は見込めない。だからこそHPEとは今後、より密接な関係を築きスキルの研さんと提案力の向上を図りたいと考えている」(吉松氏)

JBCCとHPEのパートナーシップのこれからが期待される

 HPEとのパートナーシップによって、JBCCはこれまで以上にお客様へ貢献していくソリューションの提案と提供の力を得た。それはJBCCに新たな成長をもたらすと同時に、日本企業のIT活用を積極的にサポートするJBCCの原動力となるだろう。同社とHPEのこれからが多いに期待される。

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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2016年11月16日

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