新・財務会計システム用の基盤としてハイパーコンバージド・システムを導入 短時間での稼働を実現しクラウドより安価[導入事例:古川製作所]

真空包装機の大手メーカーである古川製作所は、財務会計システムを再構築するための基盤として、Nutanixをプリインストールした仮想化アプライアンスサーバー、インテル®Xeon®プロセッサーE5-2600 製品ファミリー搭載「Lenovo Converged HX シリーズ」を選択した。選択の決め手は何だったのか。そして、新・財務会計システム以外の活用方法とは。古川製作所のIT戦略を支えるレノボサーバーの魅力に迫る。

» 2016年10月24日 18時00分 公開
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この記事は日経BP社の許諾を得て「ITpro Special」(2016年10月13日から掲載)の広告を抜粋したものです。無断転載を禁じます。©日経BP社


技術革新・生産性向上・効率化で市場規模のさらなる拡大を目指す

株式会社古川製作所 総務部 副部長 兼 IT戦略室 室長 槇田 聖二氏 株式会社古川製作所 総務部 副部長 兼 IT戦略室 室長 槇田 聖二

 スーパーマーケットやコンビニエンスストアに並ぶ食品の多くに使われている、真空パック。プラスチックフィルム内の空気を追い出してしまう包装なので長期間保存してもほとんど変質することがなく、食品ロスの削減にも貢献している。

 その「真空包装機」の大手メーカーとして知られるのが、1957年創業の古川製作所だ。これまでの納入実績は国内外の食品メーカー/医薬品メーカーなど約2万5000社。国内シェアは40%を超えている。

 とは言うものの、真空包装機の世界でもメーカー間の競争は熾烈だ。国内ライバルメーカーとの競争はいぜん厳しいし、最近は外国勢による追い上げも激しくなっている。そこで、古川製作所は取締役会直属のIT戦略室を2016年4月に設置。その狙いを初代IT戦略室長の槇田聖二氏は「弊社の強みを出して世界に展開するための経営戦略をITの視点から立案・推進することです」と説明する。

 大目標としてIT戦略室が掲げたのは、「技術革新」「生産性向上」「各種業務の効率化」によって市場の規模を拡大していくことである。「具体的には、人材を有効に活用するために、社内でやるべき業務と社外に出してもかまわない業務を見極め、業務の選択と集中を進めることにしました」と、IT戦略室の副室長を務める余越紀之氏は語る。情報システム課の場合は、社員用PCのキッティングなどの業務を廃止したり、業務アプリケーションをクラウドサービスに移してサーバーの運用管理工数を減らしたり、といった方策で目標達成を目指すことになった。

 また、経営のレベルでは、グループ企業の関連を強化することも重要な課題となっていた。例えば、会計システムの統合、小型製品販売の子会社への業務委託、設計担当子会社と本社関連部門との連携といったテーマである。

クラウドサービスも検討したが費用が多額になると分かって断念

株式会社古川製作所 IT戦略室 副室長 兼 情報システム課 顧問 余越 紀之氏 株式会社古川製作所 IT戦略室 副室長 兼 情報システム課 顧問 余越 紀之

 このような考えで業務革新に取り組むIT戦略室にとっての“初仕事”となったのが、財務会計システムの再構築だった。これまで使ってきたパッケージソフトウエアでは2019年10月に予定されている消費税率引き上げに対応できそうもない、と経理課から要請が入ったのである。「税率変更は何とかなるとして、問題は軽減税率制度への対応でした」と、余越氏は振り返る。情報システム課も、2003年から使ってきたパッケージソフトウエアなのでカスタマイズで凌ぐのは難しいと見ていた。

 財務会計システムを再構築するに当たっては、どのようなサーバープラットフォームに乗せ換えるかも問題だった。移行先のパッケージソフトウエアを外部データセンターのクラウドサービスで稼働させるか、社内にサーバーを新たに導入してオンプレミスで動作させるかを決めなければならなかった。

 経営層の意向は、経費削減を念頭としたクラウドサービスの活用である。しかし、IT戦略室と情報システム課が複数のクラウドサービス事業者から見積もりをとったところ、クラウドサービスの利用には多額の費用が発生すると分かった。「5年から6年のタイムスパンで計算すると、クラウドサービスの利用にかかる費用は現在使用中のサーバーの2倍以上でした」(余越氏)。クラウドサービスの場合、CPU、メモリー、ディスクといったオンプレミスと共通のITリソースに加えて、高速な専用線サービスも用意しなければならないからだ。

 このような検討を経て、古川製作所の次期財務会計システムを稼働させるためのサーバープラットフォームはオンプレミスサーバーと決まった。ただし、経営層の意向に沿って、「10年は基本部分の買い替えなしで持つ」「能力を増強する際の手間も運用管理工数も小さい」「他システムのサーバーを統合できるだけの余地を確保できる」などを要件として設定することにした。

古川製作所の工場 古川製作所の工場

運用管理性・冗長性・構築期間を考えてLenovo Converged HXを選択

株式会社古川製作所 情報システム課 副長 木村 勝敏氏 株式会社古川製作所 情報システム課 副長 木村 勝敏

 新しく導入するオンプレミスサーバーに古川製作所が求めた条件は、他にもあった。

 まず、財務会計システムに加えて、ワークフローシステムも載せることができること。「業務改革の一環として伝票を含む全帳票をペーパーレス化せよ、というのが経営層からの指示でした」と余越氏は振り返る。また、財務会計システムを全国8カ所の営業所からも使えるようにしたいという経理課の要望に応えるには、冗長構成にして耐障害性を高め、無停電電源装置(UPS)を自動制御できる必要もあった。

 さらに、将来統合する予定のサーバーの中には仮想環境で稼働中のものもある。情報システム課副長の木村勝敏氏は、「移行作業を容易にするには、仮想ディスクの状態で新サーバーにマイグレーションできることも欠かせませんでした」と説明する。

株式会社古川製作所 情報システム課 主任 貞安 啓孝氏 株式会社古川製作所 情報システム課 主任 貞安 啓孝

 もっとも切実だったのは、稼働開始までに残された期間が極めて短いということだった。クラウドサービスを断念してオンプレミスサーバーを導入するという方針が決まったのは、2016年4月のこと。しかし、新・財務会計システム用のソフトウエアパッケージの導入作業は既に始まっており、動作テストをするためのサーバー環境を2016年7月末までに用意しなければならなかった。

 このように厳しい条件下で古川製作所が選択したのが、Nutanixをプリインストールしたハイパーコンバージド製品の「Lenovo Converged HX シリーズ HX3500」だった。プロセッサーはインテル®Xeon®プロセッサーE5-2600 製品ファミリーを搭載し、ストレージ機能もファイバーチャネルスイッチ機能もソフトウエア化されている。そのため、後からでも容易に拡張できるのが特長だ。標準構成に含まれるハイパーバイザー「Nutanix Acropolis Hypervisor」を使えば、保守費用やライセンス費用なしで何個でも仮想マシン(VM)を生成できるという魅力もあった。

 ハードウエアを維持管理する立場の情報システム課にとっても、HX3500は望ましい選択だった。「Nutanixは後からの増設が容易とのことでしたので、これならサーバーの運用管理が楽になると思いました」と、運用管理を担当している情報システム課主任の貞安啓孝氏は話す。余越氏は「Nutanixなら、クラウドと同レベルの運用管理コストと拡張性を確保できる、と経営層に説明できます。その結果、ITインフラを構築・使用する技術を社内に残して、これからのモノづくりに生かせると考えました」とコメントする。

搬入後4日で開発用の環境が稼働 既存サーバーの統合準備も整った

 購買のための社内手続きが完了して、古川製作所がHX3500を正式に発注したのは2016年6月のこと。具体的なハードウエア構成は、次の通りである。

  • Lenovo Converged HX シリーズ HX3500×3台
  • Lenovo Networking RackSwitch G8124E(帯域幅10Gb/s)×2台
  • 25U S2スタティック&ダイナミック標準ラック(高さ25U)×1台

 このシステム一式は同7月12日に古川製作所のサーバールームに搬入され、4日後の7月16日にはサーバープラットフォームとしての稼働を開始した。

 「一時はどうなることかと心配したのですが、新・財務会計システムのチームから求められていた期限は無事クリアすることができました」と、余越氏。財務会計ソフトウエアパッケージの設定、既存システムと連携するためのインタフェースの開発、テストといった作業は順調に進んでおり、予定通り2017年2月に稼働開始できる見込みだ。

 また、ワークフローについても、市販のソフトウエアパッケージをインストールしてテスト中。2016年11月には総務部が実務で使い始めることになっている。

 HX3500ベースのシステムを導入することによって、古川製作所はどのような成果を手にすることができたのか。槇田氏は「弊社の狙うIT戦略が全体としてうまく回るようになるには、まだまだ時間がかかる」としつつも、将来を見据えたハードウエア環境を整備できたことを高く評価している。「社内の人材の持つ技術を標準化することによって、10年後には人材育成という果実を得られるのではないか」というのが、槇田氏が見る定性的効果だ。

 また、情報システム課のレベルでは、既存の十数台のサーバーを最新のサーバーに統合してサーバールームをコンパクトにできる見通しがついた。「2016年内には、今のサーバールームを情報システム課のオフィスに改装する予定です」と、余越氏。木村氏は「複数のサーバーをHX3500に統合すれば、空調を含む電気代も節約できるはずです」という。

次の目標は仮想デスクトップ環境 3Dモデルの持ち運びを実現したい

 新・財務会計システムとワークフローシステムの構築が順調に進んでいることを受けて、古川製作所はHX3500ベースのシステムを他の用途にも積極的に活用しようと計画している。

 その一つが、Lenovo Converged HX シリーズの得意技である仮想デスクトップ基盤(VDI)だ。「これまでは新規購入や人事異動がある都度、われわれが社員用PCのキッティングをしていました。VDIが使えるようになれば、そうした運用管理工数を大幅に減らせるはずです」と、貞安氏。社外に持ち出すノートPCやタブレットのセキュリティ対策としても役立つ、というのが情報システム課の見方だ。

 もう一つが、3D CADシステムのクライアントモジュールをVDI上で動かすという構想だ。現在の古川製作所の商品設計・開発サイクルは、広島工場と東京の設計担当子会社の2カ所で設計し、その結果を持って営業担当者が客先で説明&要望を聞き取り、国内3カ所の工場で製造するという流れ。この設計・開発サイクルを速く回すために、設計済みの3Dモデルをいつでもどこでもどんなデバイスでも見られるようにすることが求められている。「弊社が使っている3D CADシステムには3Dモデルを表示用の“軽い”データに変換する機能が付いていますので、後はNutanix Acropolis Hypervisorの対応を待つだけです。System xのCAD on VDIと同等の使い方ができるものと期待しています」と、余越氏。今後のビジネス拡大と人員増を考慮すると、1〜2年内には実現させたいというのが古川製作所の希望だ。

 「モノづくり企業がさらなる成長を遂げるには、最新のITを適切に活用する戦略が不可欠」(槇田氏)というのが、古川製作所の基本的な考え。そのためのサーバープラットフォームとして、Lenovo Converged HX シリーズにはこれからも大きな期待がかかることになりそうだ。

ユーザープロフィール

社名:株式会社古川製作所

創業:昭和32年6月2日

設立:昭和37年3月22日

資本金:16億円

従業員数:272名(平成28年4月現在)

事業内容:真空包装機をはじめ、各種食品包装機械および関連機器の製造。各種工業・医療・医薬用包装機械および関連機器の製造。

東京本社:東京都品川区大井6丁目19−12

本部広島工場:広島県三原市沼田西町小原200−65


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メールアドレス:hojin_jp@lenovo.com


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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2016年12月31日