大事な思い出のデータ、古いメディアに入れっぱなしで大丈夫?半径300メートルのIT(2/2 ページ)

» 2016年11月01日 13時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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 皆さんの家庭にも、このような、「0と1のビット配列」とひと言では表現できないようなデータがたくさん眠っているのではないかと思います。特に画像データは、あなたしか持っていない、とても貴重な「0と1」です。ただ、その情報の入れ物(カード)が目の前にあったとしても、それを読み取るデバイスが健在かどうかまで、気を付けている人は少ないかもしれません。

 最近のPCには、CD/DVDドライブが付いていないものも増えています。10年ほど前は、「バックアップはDVD-Rで」というのが常識でしたが、そのDVD-Rを読むドライブがなくなっている場合もあるわけです。また、DVD-Rの円盤自体が劣化し読み取れなくなる可能性もあります。今回の例のように、写真が入ったメディアの規格自体が存在しなくなり、カードリーダーが売っていないため読み取れない――という事態も起こりうるでしょう。

 大事な思い出のデータを残しておくためには、使っていたメディアの読み取り装置が消える前に、今、健在なバックアップ手段に「乗り換え」ていく必要があります。実質、現状ではバックアップの乗り換え先は「HDD」が本命でしょう。

 もし、皆さんの家にCD-R、DVD-R、MO、PD、ZIP、JAZ、スマートメディア、xDピクチャーカードなど、最近聞かなくなってしまった「メディア」があったとしたら、「ドライブ」を探し、念のため中身をチェックしてみてください。もしかしたら、そこには大事な思い出が眠っているかもしれません。

 そしてデータを読み出したら、ちゃんと外付けHDDなどにバックアップし、かつ「取り外す」ことをお忘れなく(なぜなら、ランサムウェアが狙っているからです)。その一手間が、あなたの思い出を永遠のものにするはずです。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


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