基調講演には、ハリウッド俳優のアシュトン・カッチャー氏も登壇した。カッチャー氏は、100社以上のテクノロジーのベンチャー企業に出資する投資家としても有名で、出資先にはUberやAirbnbなどの世界的な急成長を遂げる新興企業が多い。
カッチャー氏は、サイバーセキュリティが「第2のUber」と称されるほどの革新的な分野になっているとコメント。俳優として自身のプライバシーが暴露されるリスクにも直面してきた経験から、「Uberではドライバーが利用者を安全に運び、Airbnbでは利用者が信頼できる宿泊先を提供することがビジネスにおいて不可欠なように、出資先企業のセキュリティやプライバシーに対する取り組み姿勢を重視している」と語った。
同氏によると、現在は個人のプライバシーがオンラインの世界では“セレブ”になっているという。便利なサービスを利用するためにユーザーから提供される膨大な個人情報が新たなビジネスを生み出す源泉になっており、その意味でプライバシーは“セレブ”に等しい存在という。以前には、プライバシーとオンラインの関係がもたらす価値や危険性を描いた映画の製作も構想したことがあったそうだ。
また、「スタートアップの段階ではテクノロジーによる価値創造へ注力するあまりに、どうしてもセキュリティが疎かになる。しかし、マーケティング活動を展開するような段階に至れば必ずセキュリティに取り組まなければならない」と、ベンチャー企業に対する持論も展開した。
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