ソフトウェアの目的にもよりますが、エンタープライズ向けのソフトウェアは、そういったお客さまの要望に応えるために、ある程度のカスタマイズを許容するように設計されたものもあります。洋服や家に例えると、セミオーダーのようなイメージです。しかし、カスタマイズできるからと言って「今ない機能が提供できるようになる」ということにはなりません。
キャラクターやストーリーがあらかじめプログラムされ、買ってそのまま遊べるRPGと、キャラクターやストーリー自体を自分でカスタマイズできる制作ソフトとの違いと言えば分かりやすいでしょうか。後者のソフトを使って、誰でも名前を知っているようなクオリティのゲームを作るのがどれくらい難しいか、想像できると思います。
別に「カスタマイズ」の機能そのものを否定しているわけではなく、カスタマイズには、相応の専門スキルが必要だということです。エンタープライズ向けのパッケージソフトウェアであれば、プロフェッショナルサービスと呼ばれる(日本ではあまりなじみのない言葉ですが)、そのソフトウェアの専門家集団がいるのが一般的です。
彼らが、その専門技能を駆使して、あなたの要望を実現するのに最適な方法を提案し、実装を支援してくれるでしょう。外資系企業であれば、日本国内にそのような部門を持っているかどうかもチェックすべきポイントです。それでは最後に、本日紹介したポイントをおさらいしましょう。
今回は、パッケージソフトウェア選定時に陥りやすい失敗例と、そうならないためのポイントを紹介しました。次回は「無料」という言葉に潜むワナについてお話しする予定です。お楽しみに。
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