企業内でのOpenStackの利用状況と導入メリット仮想化&ストレージの基礎と最前線(1/2 ページ)

企業から注目を集めている、オープンソースのクラウド基盤構築ソフトウェア「OpenStack」について、その構成コンポーネントや特徴を整理しつつ、導入メリットを解説します。

» 2017年01月06日 13時00分 公開
[羽鳥正明ITmedia]

この記事は羽鳥正明氏のブログ「仮想化&ストレージの基礎と最前線」より転載、編集しています。


 本日は、企業内で徐々に使われつつある「OpenStack」のお話です。

クラウドコンピューティングの新型

 「Nova」はコンピュータ機能を提供しているプログラムで、「Cinder」はブロックストレージ機能を提供しています。「Swift」はオブジェクトストレージ機能を機能として提供しており、「Keyston」は認証機能、「Glance」はマシンイメージ管理機能を担当し、「Newtron」はネットワーク機能を提供しています。各部所で働いていますが、これを統合したのがOpenStackです。

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 クラウドコンピューティングの基礎的な役割を十分に果たすだけでなく、さらにITユーザーにとっても合理的な機能を備えていて、蓄積されるデータの管理の手間が掛からなくなります。また、永続的ブロックストレージを提供しており、USBケーブルなしでHDDを接続するような感覚で、データの保存がさらに楽になるシステムを提供しています。事業者が安心にITを利用することができるように、プライベートクラウドはファイアウォールで囲まれており、業界内・企業内にクラウドを構築するサービスとして古くから利用されてきました。

多数の機能で構成され、多くのIT企業からの支援を受けてきたOpenStackの特徴

 OpenStackは、将来的なデータ量増大に対して注目を浴びている新プロジェクトでもあります。

 仮想マシンやデータを保存するために利用でき、多数の機能で構成されていて、多くのIT企業からの支援を受けてきたOpenStackは、Amazon.comのAmazon Web Servicesとはサービスの互換性があるようです。また、AWSで動作しているソフトウェアやシステムを簡単に移植可能な面も機能に含まれており、「Shared Services」も搭載しているので、利用者の認証やアクセス権限の管理も行うことができ、セキュリティ面でも十分な配慮がなされています。

 その他にも、システムを構成する際の資源の使用量や状況の記録と集計をカウンターする「Telemetry Service」、アプリケーション実行環境の構築を自動化する「Orchestration Service」も搭載されています。これによってスマホやアンドロイドの仕様をもっと軽快にできるようになり、さらに多くのデータベースを手軽に構築することが可能な「Database Service」も搭載されています。ファイル共有サービスである「Shared File System」などもサービスに含まれていて、複合的に便利に使用することができる準備が整っています。

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