シリコンバレー見聞録 ベイエリアならではの新鮮なアイデアを吸収できるコーヒーハウスの正体柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」(2/2 ページ)

» 2017年01月15日 12時00分 公開
[柴崎辰彦ITmedia]
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名称は、あの戦略商品から

 このコーヒーショップ兼ワーキングスペースには、SAPの商標は使用されていませんが、SAPのインメモリデータプラットフォーム「HANA」からHanaHausという名前が付けられたようです。オープンイノベーションやデジタルビジネスの潮流を考えると、SAPというブランド名をあえて付けなかったは、賢明だと思います。

 店舗は、中東のバザール風のエントランスを入ると、穴蔵のように細長い敷地になっています。そして、右手奥にワークショップスペースが展開されています。

Photo HanaHausの案内図

明るいオープンな雰囲気のワークスペース

 どこかアメリカと異なる異国の雰囲気が漂うパティオを越えて室内に入ると、ブルーボトルコーヒーのカウンター横にワークスペースの受付が出現します。近隣のワークスペースと比較して低価格に押さえられているため、気軽に利用されているようです。

ALTALTALT HanaHausのワークスペース

ベイエリアの新鮮なアイデアを吸収

 SAPの広報担当は、「われわれは、新しいアイデアと新鮮な思考を巡ってベイエリアで行われている会話に参加したいと思っている。新しい方法で起業家コミュニティーに入ることを後押ししてくれるのが、HanaHausだ」とコメントしています。

 なるほど、これも一種のオープンイノベーションへの取り組みかと。さまざまなワークショップや著名人のトークイベントを開催することで、ベンチャーや企業家、フリーランスとコラボレーションし、斬新なアイデアやトレンドを吸収しようとしているのです。

 SAPは今後、ベルリン、ロンドン、上海における起業家活動の中心地で、同様のカフェを開店する計画だそうです。有名コーヒーショップとのタイアップなど、日本のベンダーにはなかなかできない取り組みです、まねしてみたいアイデアですね。

参考出典:SAPがコーヒーショップを開店したワケ(WIRED)

著者プロフィル:柴崎辰彦

富士通グローバルサービスインテグレーション部門戦略企画統括部長。

著書『勝負は、お客様が買う前に決める!』(ダイヤモンド社)。詳しいプロフィルはこちら


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