オラクル、モバイル端末の音声認識で集計・分析するBIツールをクラウドから提供

音声認識による集計・分析データ応答機能の「BI Ask」とクラウド型アナリティクスの機械学習機能を連携させることで、売上向上策や製造装置の故障、商品の受発注などの予測分析が実現するという。

» 2017年01月10日 08時00分 公開
[ITmedia]

 日本オラクルは1月6日、データ分析・可視化サービス「Oracle Data Visualization」にスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末の音声アシスタントを使って必要なビジネスデータを導き出す新機能を追加し、クラウドで提供を開始すると発表した。

 新機能によって、統計に関する特別なスキルを持たない事業部門のユーザーが、売上や顧客数、工場稼働状況、在庫数といったさまざまなデータをリアルタイムに可視化・レポートする「セルフサービスBI」に取り組めるよう支援するという。

 具体的には、音声認識による集計・分析データ応答機能「BI Ask」によって、外出中の営業担当者、工場や工事現場の監督者、小売店の受発注担当者などがiOSやAndroid搭載のモバイル端末に話しかけるだけで、サービス側で集計されたデータを確認し、さまざまな切り口による分析データを表示する。

 例えば、飲料メーカーの営業担当者がモバイル端末の音声アシスタントを介して「売上、神奈川、飲料」と話しかけることで、「神奈川県の飲料に関する売上データ」を数種類のビジュアルで表示し、また関連情報として「製品カテゴリ」「販売数量」別のデータ分析も表示するという。

 同社はBI Askと「Oracle Database Cloud Service」の機械学習機能を組み合わせることにより、売上向上施策や、製造装置の故障、商品の受発注などの予測分析を実現できると説明。例えばルートセールスに活用すれば、小売店における自社製品の売上状況の把握し、小売店の売上データと組み合わせて併売などのリコメンド情報を短時間で提示できるようになるという。

 また、製造工場の予防保全・点検に活用すれば、工場の稼働状況を確認し、製造に関わるロット数を検索できるようになる。センサーデータから製造装置の故障発生傾向をパターン化し、音声検索で把握できるという。

 倉庫・店舗の在庫管理への活用では、小売店の在庫データを基に天候や近隣のイベントのデータなどと連動した需要予測・在庫不足の発注に活用できるとしている。

 「Oracle Data Visualization」は、数クリックで業務システム内のビッグデータを分析・可視化でき、こうした作業をIT部門のリソースなしに業務ユーザーが手軽に行えるため、ビジネス上の価値を導き出すまでの時間を短縮し、分析結果に基づいた施策化展開のスピードアップを図れるという。クラウドサービスのほかに、デスクトップ版やサーバ版も提供。クラウド版の利用料は、1ユーザーあたり月額9000円(税別)で、5ユーザーから利用できる。

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