歩く姿勢の測定で健康診断、アシックスとNECが共同開発

センサーに向かって歩くだけで歩行姿勢を測定し、歩行から得られるサインを健康の維持・改善活動に活用できるという。

» 2017年01月26日 08時30分 公開
[ITmedia]

 NECソリューションイノベータは1月25日、3Dセンサーで歩く姿勢を測定する「NEC 歩行姿勢測定システム」を1月31日から提供開始すると発表した。

 同システムは、人の動きに関する同社のセンシング技術と、アシックス スポーツ工学研究所が保有する「歩行」に関する豊富な知見を組み合わせて共同で開発したもの。3Dセンサーに向かって6mほどの距離を普段通りに歩くだけで「歩行速度」「歩幅」「胸腰部の上下動」「足の上がり角度」などの36項目を数値で表示し、歩行姿勢を測定するという。

Photo 機器構成例

 年齢と性別を入力すると、測定項目を「歩く速さ」「ふらつき」「左右差」「身体の軸」「腕振り」「足の運び」の6つの分野に分け、年齢と性別に応じた基準を用いて5段階で評価し、「速度年齢」「姿勢年齢」「バランス年齢」から構成される歩行年齢を算出。これにより、歩行時の速度や姿勢、バランス能力が何歳に相当するかを知ることができ、年齢や性別ごとの平均値と比べることで改善すべきポイントも明確になるという。

Photo 「NEC 歩行姿勢測定システム」画面イメージ

 測定の際に身体にマーカーなどを身に付ける必要がないため、歩行者に負担をかけずに測定できるので、容易に利用できるのも特徴。

 例えばフィットネスクラブなどで活用すれば、「右足を前に踏み出した時の“足の上がり角度”と左足を踏み出した時の角度に10度差があるので気をつけましょう」などと、利用者に合わせて具体的な改善行動を提案することもできるという。

 歩行者を登録し、測定結果を蓄積することもできるので、最新の測定結果と比較して身体の変化を確認したり、施術やトレーニングの効果を把握し、その後の施術・トレーニング内容を見直すきっかけにしたりといった利用も可能。

 同システムは、1ライセンスあたり年間利用料が15万円(税別)、無期限では40万円(税別)。ハードウェア(Windows PC、Kinect v2センサーなど)は別途必要となる。

 日本では高齢化の進展により、身体に大きな負担のかからない健康維持活動として「歩行」への注目が高まってることを受け、このシステムを活用して「歩行」を継続的に測定することで、効果の高い健康維持活動につなげていくことができるとしている。同社では、今後2年間で730ライセンスの導入を目指しているとのこと。

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