Alphabet(Googleの親会社)、“その他”部門の営業損失10億ドルで純利益が予測に届かず

Googleの親会社、Alphabetの10〜12月期の決算は、売上高は2桁台の増加だったが純利益は8%増でアナリスト予測に届かなかった。広告のモバイルへのシフトや「X」などの“その他”部門の10億ドルの営業損失が響いた。

» 2017年01月27日 11時04分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 Googleを傘下に持つ米Alphabetは1月26日(現地時間)、2016年第4四半期(10〜12月)の決算を発表した。AlphabetはGoogleが組織再編で設立した持ち株会社で、2015年10〜12月期からGoogleとその他の傘下企業の業績を分けて開示している。

 Alphabet全体の売上高は前年同期比22%増の260億6400万ドル、純利益は8%増の53億3300万ドル(1株当たり7.56ドル、非GAAPベースでは9.36ドル)だった。売上高はアナリスト予測の251億8000万ドルを上回ったが、非GAAPベースの純利益は予測に届かなかった(アナリスト予測は9.61ドル)。

 AlphabetおよびGoogleのCFO(最高財務責任者)であるルース・ポラット氏は発表文で「売上高22%増という好調さは、モバイル検索とYouTubeがリードした。Googleが新しく注力しているエリアにも大きな進捗が見られ、“その他”部門も力強く発展している」と語った。

 Googleの売上高は前年同期比22%増の258億200万ドルで、前期同様にAlphabet全体の約99%を占めた。営業利益は17%増の78億8300万ドル。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は36%増加。前期比では20%増だった。モバイル端末の普及とYouTubeのTrueView広告の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は15%減、前期比で9%減だった。

 主要な収入源である広告以外(YouTube Red、Google Play、オリジナルハードウェアなど)からの売上高が62%増の34億300万ドルだった。

 ムーンショット部門のX、Google Fiber、Calico、Nest、Verily、GV、Google Capitalをまとめた「その他」の売上高は75%増の2億6200万ドル、営業損失は前期より1億2500万ドル減り、10億8800万ドルだった。なお、自動運転車事業はWayMoとしてスピンオフした。

 alpha Alphabetの部門別業績

 サンダー・ピチャイCEOは業績発表後の電話会見で、同社は機械学習と人工知能(AI)にフォーカスしていると語った。「Google Home」やNest製品を含む家庭向けIoTや音声アシスタントの「Google Assistant」、YouTubeでのレコメンデーション機能などを強化していくという。

 Google Homeのような音声での検索がもし主流になると、検索広告にどう影響するのかという質問に対しては、ピチャイ氏は明確には答えなかったが、ユーザーは様々な方法で検索するし、音声ベースのコンピューティングはまだ立ち上がったばかりなので懸念していないと語った。

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