スクラッチはオワコン? 企業がOSSを使うべき理由オープンソースビジネス勉強会(2/2 ページ)

» 2017年02月02日 08時00分 公開
[寺田雄一ITmedia]
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 しかし最近は、これとは異なる動きになっています。Hadoop(ビッグデータ)や、TensorFlow(ディープラーニング)に代表されるように、最新技術領域のソフトウェアは、商用ソフトウェアではなくオープンソースとして世に出てきます。

 これは「誰がソフトウェアを開発しているのか」といったところによります。

 従来は、Oracleなどのソフトウェアベンダーが最新技術を取り入れた製品を開発し、世の中に出していました。

 しかし現在では、最新技術(を実現するためのソフトウェア)は、ソフトウェアベンダーではなく、Amazon、Google、FacebookなどのWebサービス企業によって開発されています。彼らが自社のサービスのために必要なソフトウェアを自社で開発し、それを何らかの理由でオープンソースとして公開しているのです。

 オープンソースとして公開する理由は、「社外のコミュニティーと開発することで、開発スピードを上げたい」「ソフトウェアを普及させて、エコシステムを構築したい」など、さまざまです。

Photo 最先端技術はOSSから

 このようにして登場するオープンソースを企業が使わない理由はありません。ビジネスに人工知能やビッグデータを活用する際に、全てスクラッチで開発する正当性は全くなく、TensorFlowやHadoopを使うべきです。

 また、IT企業にとっても、顧客に人工知能やビッグデータの活用を提案する際に、TensorFlowやHadoopを使わない手はありません。

 このように、(ユーザー)企業にとってもIT企業にとっても、オープンソースと向き合うことは必要不可欠になっています。

著者プロフィル:寺田雄一

(株)オープンソース活用研究所 所長。 IT業界の多段階請負構造の改革を進めるため、30社以上のIT企業に対してマーケティング支援「マジセミ」、採用支援「マジキャリ」を行っている。マーケティング支援はセミナーを中心に行っており、年間200回を目標に開催。詳しいプロフィルはこちら


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