しかし最近は、これとは異なる動きになっています。Hadoop(ビッグデータ)や、TensorFlow(ディープラーニング)に代表されるように、最新技術領域のソフトウェアは、商用ソフトウェアではなくオープンソースとして世に出てきます。
これは「誰がソフトウェアを開発しているのか」といったところによります。
従来は、Oracleなどのソフトウェアベンダーが最新技術を取り入れた製品を開発し、世の中に出していました。
しかし現在では、最新技術(を実現するためのソフトウェア)は、ソフトウェアベンダーではなく、Amazon、Google、FacebookなどのWebサービス企業によって開発されています。彼らが自社のサービスのために必要なソフトウェアを自社で開発し、それを何らかの理由でオープンソースとして公開しているのです。
オープンソースとして公開する理由は、「社外のコミュニティーと開発することで、開発スピードを上げたい」「ソフトウェアを普及させて、エコシステムを構築したい」など、さまざまです。
このようにして登場するオープンソースを企業が使わない理由はありません。ビジネスに人工知能やビッグデータを活用する際に、全てスクラッチで開発する正当性は全くなく、TensorFlowやHadoopを使うべきです。
また、IT企業にとっても、顧客に人工知能やビッグデータの活用を提案する際に、TensorFlowやHadoopを使わない手はありません。
このように、(ユーザー)企業にとってもIT企業にとっても、オープンソースと向き合うことは必要不可欠になっています。
(株)オープンソース活用研究所 所長。 IT業界の多段階請負構造の改革を進めるため、30社以上のIT企業に対してマーケティング支援「マジセミ」、採用支援「マジキャリ」を行っている。マーケティング支援はセミナーを中心に行っており、年間200回を目標に開催。詳しいプロフィルはこちら。
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