シリコンバレー見聞録 IoTブティック「b8ta」に見るスマートビジネスの行方柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」(2/2 ページ)

» 2017年02月25日 08時00分 公開
[柴崎辰彦ITmedia]
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 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でおなじみの“BB-8”は、実はアメリカのOrbotix(オルボティクス)が製造・販売を行っているボール型のデバイスの「Sphero(スフィロ)」がベースになっている。Spheroは、スマートフォンとBluetoothで接続し、アプリを使ってデバイスを操作できるというもの。

 また、知人の高萩昭範さん(現 Moff代表取締役)が大阪イノベーションハブで開催されたハッカソンをきっかけに事業化した「Moff Band(モフバンド)」も展示されていた。妖怪ウォッチを抑えてAmazonの電子玩具部門でも1位になったことのあるスマートトイ。Moff Band誕生秘話は、私が代表を務めている「あしたのコミュニティーラボ」のこちらの記事をご覧あれ!

ALTALTALT いわゆるスマートトイのSpheroとMoff Band

 いつの時代もそして幾つになっても体験型は面白い。

ALTALTALT ゲームと連動した体験型のスマート製品に加え、あのOculus(オキュラス)も展示

 健康管理もスマートに行う時代。

ALTALTALT ヘルスケア関連のスマート製品

 大切な人への料理もIoTがサポートする時代になるかも。

ALTALTALT キッチン関連のスマート製品

接続機能を持つスマート製品の4つのステージとインテグレーターの役割

 経済学者 マイケル・E. ポーターによると、接続機能を持つスマート製品には以下の4つのステージがあるという(HBR2015/4『IoT時代の競争戦略/How Smart Connected Products Are Transforming Competition』)。

  1. モニタリング(Monitoring:製品の状態、外部環境を総合的にモニタリング)
  2. 制御(Control:製品を制御し、ユーザーエクスペリエンスのパーソナル化)
  3. 最適化(Optimization:製品性能の向上、予防診断、サービス、修理)
  4. 自律性(Autonomy:製品の自動運用、他製品との自動的な連携、自己診断と修理など)

 専門家にいわせると、現在の日本企業の大半は「1. モニタリング」の段階に甘んじているという。一部のロボットを扱う企業は「2. 制御」の領域まで来ているらしい。まだそんな状況なので、ビジネスはこれから本番を迎える。

 われわれKNOWLEDGE INTEGRATERは、自社の製品だけでなく、世の中に流通するさまざまなIoTデバイスを理解し、使いこなさなければならない。組み合わせは無限大で、新たなサービスの可能性は広がる。このようなIoTデバイスを日常的にいじれる環境も必要かもしれない。

著者プロフィル:柴崎辰彦

富士通グローバルサービスインテグレーション部門戦略企画統括部長。

著書『勝負は、お客様が買う前に決める!』(ダイヤモンド社)。詳しいプロフィールはこちら


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