第19回 ココが知りたい! 5分で分かる「Windows 10」運用のポイント変わるWindows、変わる情シス(2/2 ページ)

» 2017年03月01日 08時00分 公開
[山本築ITmedia]
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プロビジョニング

 3つ目の展開方法はプロビジョニングです。管理者がポリシーやドメインへの参加情報といった、業務端末としての設定を1つのプロビジョニングパッケージとして作成。端末を配布されたユーザーが、自らパッケージを適用するという仕組みです。イメージングをしなくていいため、素早い展開が行えるのが特徴です。

 この新しい展開方法は、まだまだ設定できることが少ないですが、Active Directory(AD)への参加やWi-Fi設定などであれば、対応できます。新しくWindows 10が内蔵されている端末を導入する計画があるなら、ぜひ試してみてください。

photo プロビジョニングで設定可能な項目の例

機能更新プログラム(アップグレード)の配信タイミングはどうしよう?

 Windows 10運用の2つ目のポイントは、アップグレード配信のタイミングです。前回もお話しましたが、サービス提供のモデルが変わったことにより、より計画的な検証が求められるようになります。

 私がオススメするのは“2段構え”の検証体制である「パイロット運用」です。今までOSのEOS(=End of Support)に合わせて検証のスケジュールを立てていた企業も多かったと思いますが、新OS(またはInsider版)が出た段階で、情報システム部門などは検証を始めるとともに、会社の各部署から代表者を決め、常に最新の機能が提供される「Current Branch(CB)モデル」を、一足先に導入して使ってもらうといった方法が、後々のトラブルを減らすにはよいと考えています。

photo Windows 10でオススメする検証体制「パイロット運用」。情シス部門と業務部門それぞれで、本運用よりも先に検証を始める“2段構え”の体制です

データサイズが大きすぎて配布できないんですけど……

 3つ目のポイントは「配布するデータのサイズ」。OSのデータサイズが大きすぎて、とてもじゃないけど配信できない――これこそ最もよく聞く悩みです。

 現状、WSUSではISOファイルをESDファイルに圧縮することで約30%の容量削減(約3.6Gバイトから約2.5Gバイトに)に成功していますが、さらに今後は、Redstone 2(RS2)からRedstone 3(RS3)にインプレースアップグレードする際には、差分更新に変えてOSの容量を圧縮する計画があります。

 とはいえ、それでもOSのサイズは2Gバイト弱の予定です。「まだまだ厳しい」というコメントもよく頂きます。そのため、私たちマイクロソフトでは、配布ポイントとなるサーバを拠点に置くこと、またはバックグラウンド インテリジェント転送サービス(BITS)による帯域制限を行い、最適配布を行う機能をお勧めしています。P2Pキャッシュにより、帯域をひっ迫することなく配布ができるようになります。

photo バックグラウンド インテリジェント転送サービス(BITS)の説明
photo 更新管理用のツールも4つの選択肢がある

 今回は「OS展開の方法」「OS展開のタイミング」「配布するためのインフラ」という3つの観点でWindows 10の運用計画についてお話ししました。皆さんはWindows 10の運用についてイメージは湧きましたか?

 次回は最後、OSの管理についてご紹介します、新機能の「Upgrade Analytics」など、どのアプリがWindows 10に対応しているか、自動で探すサービスも無償でリリース予定です。ぜひ続報をお待ちください。

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