クラウドベースのコンタクトセンターサービス「Amazon Connect」発表

Amazon Web Services(AWS)が、あらゆる業種の企業がカスタマーサービスを低コストで設置できる、セルフサービス型でクラウドベースのコンタクトセンターサービス「Amazon Connect」を発表。AWSマネジメントコンソールから数クリックでセットアップできる。

» 2017年04月04日 09時00分 公開
[ITmedia]

 Amazon Web Services(AWS)は2017年3月28日(米国時間)、クラウドベースのセルフサービス型コンタクトセンターサービス「Amazon Connect」を発表した。当初は米国と欧州18カ国で利用可能で、数カ月中に他の国にも展開する予定としている。

 Amazon Connectは、Amazonの世界中のカスタマーサービスで顧客対応に使用しているコンタクトセンターの技術をベースにしたもので、AWSマネジメントコンソールから数クリックで設定でき、数分ほどで電話対応を開始できる。

 導入や管理のためにインフラを必要としないため、仮想コンタクトセンターの規模は自由に拡張・縮小でき、短期的な販促活動や一時的な利用者の急増、新製品の発表といったビジネスサイクルに合わせた活用が可能。電話応対スタッフの数は最大で数万人まで増すことができるという。

 また、通話履歴をコンタクトフローの設計に役立てられることに加え、「Amazon DynamoDB」「Amazon Redshift」「Amazon Aurora」といったAWSサービスや、顧客関係管理(CRM)/分析ソリューションなどのサードパーティー製システムと連携した、顧客データの活用によるコンタクトフロー設計も可能。例えば航空会社では、フライトを逃してしまった顧客からの通話に対し、旅行のデータベースを呼び出して、予約をし直すか、キャンセルするかなどのオプションを提示するといった設定も可能だ。

 さまざまなAWSツールやインフラストラクチャとの統合により、「Amazon S3」への通話内容を記録したり、「Amazon Kinesis」を使用してコンタクトセンターの指標データをAmazon S3やAmazon Redshift、外部データウェアハウスソリューションにストリーミングしたりするといった活用も可能。「Amazon QuickSight」によるデータの可視化・分析や、「AWS Directory Service」によりAmazon Connectへのログインに企業内認証情報を利用することも可能になる。

 さらに、「Amazon Alexa」の自動音声認識(ASR)技術と自然言語理解(NLU)機能を搭載するAIサービス「Amazon Lex」を使用し、自然言語のコンタクトフローを構築できるとのこと。これにより、電話をかけてきた顧客は、ただ問い合わせたい内容を話すだけでサポートを受けられるようになり、メニューオプションの録音音声を長々と聞き、オプションを選択するといった煩わしさがなくなる。

 利用に当たって前金支払いや長期契約の締結は必要なく、料金は従量課金制。Amazon Connectの使用料として1分当たり0.018ドルに加え、国によって異なるテレフォニーサービスの使用分として、1日当たりの電話番号使用料(直通ダイヤル番号またはフリーダイヤル番号)と、1分当たりの通話料(インバウンドまたはアウトバウンド)がかかる。例えば米国でフリーダイヤル番号宛てに7分間の問い合わせを受けた場合、Amazon Connectの使用料0.018ドル×7分=0.126ドルに、フリーダイヤル番号の使用料0.06ドル(1日分)と、フリーダイヤル番号宛のインバウンド通話料0.012ドル×7分=0.084ドルを加え、計0.27ドルとなる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ